さて2020年もやってきました、Huaweiの新型カメラ、じゃないスマホ「HUAWEI P40 Pro 5G」。いろいろと能書きはあるけれども、基本的には「トリプルカメラの構成がイメージセンサーごとごっそり新しくなってもっとスゴくなったよ」と「AIが進化してめちゃ賢いAIならではの機能を搭載したよ」の2点だ。
細かくチェックしてると長くなりそうなので、サクサクと見ていきたい……のだが、いろいろとややこしいところがあるので、前半はややこしい内容になる。ご勘弁。
「Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ」って何?
まずはカメラ部分の構成だ。
正直、カメラ周りのデザインはよくなったと思う。カメラ部だけ色と質感が違い、その中で撮影に使う3つのカメラの下に「LEICAのロゴ」が入っており、「カメラ」がきちんとアピールされているのだ。ぱっと見ると、HuaweiのスマホにLEICAの超小型カメラを埋め込んだようである。
で、その内訳。1つ1つのカメラの名前が大げさなのだけど、HUAWEIのカタログにある通りに書いてみた。
カメラの構成はこんな感じ。望遠カメラだけ四角いのは屈曲光学系(ペリスコープ式)のレンズを採用しているから色温度センサーはホワイトバランスをより正確に合わせるためのもの、3D被写体深度カメラは奥行きを測るためのものだ。
残るトリプルカメラは前モデル(P30 Pro)と同じ超広角、広角、望遠という構成だが、全てのセンサーやレンズが新しくなった。
カメラごとに見る。見出しのスペック表記はHUAWEI P30 Pro→HUAWEI P40 Pro 5G。
超広角カメラ:16mm→18mm/2000万画素→4000万画素/F2.2→F1.6
超広角カメラは画素数もレンズの明るさも全部変更。ただ、超広角カメラの割に18mm相当と画角がちょっと狭くなったのは引っ掛かるけれども、よく見るとアスペクト比が4:3ではなく3:2になっているのである。ちょっと横長になった分、ワイド感はある。
超広角はアスペクト比が3:2(35mmフィルムと同じ)と少しワイドなのがポイント広角カメラ:27mm→23mm/4000万画素→5000万画素/F1.6→F1.9
こちらは27mmから23mmにより広角になり、レンズはF1.9と暗くなったが、実はセンサーサイズが1/1.7型から1/1.25型へでかくなった。センサーがでかくなるとレンズもでかくなるわけで、大きくなったセンサー+レンズをスマホの薄いボディーに収めるために、少し暗くなったのだろう。でも、そこはセンサーの高性能化で補うわけだ。
分数でいわれても分からないと思うので(私もピンとこない)小数に直すと、0.59型→0.8型となる。ちょっとでかくなったなって感じ。
で、撮ってみるわけだが……なんか変だ。
カメラアプリの画面。レンズは「1x」である。デフォルト広角カメラで撮影。相変わらず青空のくっきり感がすごい。23mmというけど、今までと変わらなくない?撮ってみると、明らかに23mm相当の画角じゃない。P30 ProやMate 30 Proやその他一般的なスマートフォンと変わらない。写真に記録される撮影情報(EXIF情報)を見ると「35mm版換算27mm」と書いてある。あれ? 23mmじゃなかったん?
では、と撮影モードを変えて50MP(5000万画素)にして撮ってみると、ちゃんと23mm相当の画角になっているじゃないか。
5000万画素モードにすると本来の23mm相当の画角で撮れた。AIが働かないので色はやや地味だけど、ディテールの描写力はすごい通常の写真モードでは従来の機種に合わせて「1x」が27mm相当になるよう、27mm相当分の範囲だけ使っているっぽい。なるほどそういうことだったか。
望遠カメラ:125mm→125mm/800万画素→1200万画素/F3.4→F3.4
望遠カメラは画素数が増えた。前モデルでは写真モードで撮ると1000万画素の画素数で記録されたわけで、望遠カメラ使用時はちょいと盛っていたのである。HUAWEI P40 Pro 5Gからはその必要がなくなったのだ。
で、5倍望遠時のクオリティーは上がっている。これは素晴らしい。
5xの望遠カメラで。クオリティーはめちゃ上がっているちなみに、前モデルもそうだったけど、27mmの5倍だと135mmになる。カメラのスペックは125mm相当である。画像の撮影情報を見ると135mmになっている。ちょっと盛っているわけである。でもHUAWEI P30 Proの5倍望遠時よりディテールの描写力は格段に上がっているので素晴らしい。
で、さらに倍。10倍にしてみた。なんかきれいだぞ。
10倍(270mm相当)で。これはかなりハイクオリティーな望遠。格段に進歩しているさらにズーミングしていくと、20倍を過ぎたところから、画面の左上にサムネイルが出るようになる。マックスの50倍にしたときの画面がこちら。
左上に5倍ズーム時の撮影範囲が表示されて、その中で撮影される範囲が四角く示される。これはよい機能だ。
20倍を超えるとこのように左上にサムネイルが出る。望遠にしすぎると被写体を見失いやすくなるのでこれはよいアイデアさすがにここまで望遠にするとアレだけど、超望遠の迫力さすがに50倍になるとデジタルズーム感が出ちゃう。10倍までは普通に使っていい感じだ。それでもすごい。
以上、ちょいと気になるとこがあったので少し突っ込んでみた。カメラのハードウェア的なスペックと実際に撮影される画像が微妙にずれているので、気になる人がいるかもしれないけど、こういうわけなのである。
なお、広角カメラ(ウルトラビジョンと銘打たれている)は5000万画素だけど、写真モードだと「4画素を1つ」として扱うため、実質1250万画素となる。5000万画素で撮りたいときは、Proモードにするかハイレゾモードにする。ハイレゾ時は「1画素を1画素」として扱うので、十分に明るい場所(昼間の屋外)では超絶きれいな写真を撮れる。室内なら、1250万画素のモードの方が高感度に強くていいかな。
ついでに超広角カメラは「シネマカメラ」と銘打たれている。動画用というわけなので、4K動画を撮ってみた。目が回ったら申し訳ない。
ゆがみも少ないしAFも安定しているしでなかなかだ。
4Kで歩いたりぐるぐる回ったり近寄ったりしてみたフルHDで撮ったものもどうぞ。
フルHDで電車を。ゆがみも気にならず、クオリティーはなかなかだ反射や人を除去する機能は使える?