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家のWi-Fiを快適にする3つのステップ:つながらない、遅いWi-Fiとはさようなら

Wi-Fiってもはや、空気ですから。

家のWi-Fiが遅い、つながらない、何か見ようとすると必ず読み込み中のグルグルで止まってしまう…。そんなWi-Fiには呪いがかかっているわけじゃなく、たいていの場合何かしら物理的な問題があります。使っている機器とか、家の作りとか、物の配置とかがWi-Fiのつながりやすさに影響しているんです。そういった条件は人それぞれ違いますが、Wi-Fi環境改善のための考え方は共通しています。

じゃあWi-Fiが遅いとか、つながりにくいといったとき、どうすればいいんでしょうか? 米GizmodoがKelly Bourdet編集長の自宅のWi-Fi環境を実際に増強しつつ、やるべきことをまとめてくれました。

米国と日本でプロバイダー事情とか住宅事情が違うので、そういう部分はなるべく日本の事情に合わせてお伝えしていきますね。

ステップ1:ルータの配置を見直してみる

Wi-Fiは電波なので、Wi-Fiルータとそれにつなぎたいデバイスが遠すぎたり、間に余計なものがあったりすると、つながりにくくなります。でもWi-Fiルータはたいていあんまり美しくなく、押入れとか本棚の奥とかTVの裏とかにこっそり置かれがちです。または家の真ん中なんだけど隣に大きな鏡があったり、ステンレスの冷蔵庫があったりするかもしれません。あとは電子レンジのような家電もWi-Fiルータと同じ周波数の電波を使っているので、干渉を避けるために離れた場所においたほうがいいです。

Wi-Fiルータの置き場所は、周りになるべく障害物のないところが理想です。米Lifehackerの実験では、IKEAの扉付きTVキャビネットに入れてたWi-FiルータをTVキャビネットの上に移動しただけで、ダウンロード速度が倍以上に改善しています。またWi-Fiの電波は「下から上へ」より「上から下へ」のほうが伝わりやすいので、床置きするより家具の上に置く方が良いそうです。

ステップ2:ルータを替えてみる

Wi-Fiルータはプロバイダーからレンタルしている人も多いと思いますが、レンタルのものでも買ったものでも、ルータを見るときはまず「802.11なんとか」という規格を見ます。今なら一番新しい802.11acが一番高速で、これからも長く使える可能性が高いです。「ビームフォーミング」という技術が標準で入っていて、使用中のワイヤレス機器を特定し、そこに信号を集中することができます。なので古いルータを使いっぱなしの人は、買い替えもひとつのオプションです。

家のWi-Fiを快適にする3つのステップ:つながらない、遅いWi-Fiとはさようなら

ただ、ひとつ古い規格である802.11nにもまだ意義があります。802.11acが5Ghz帯のみを使うのに対し、802.11nは2.4GHzと5GHzの両方を使うからです。5GHz帯は速度が速いだけでなく、電波干渉が少ないんですが、障害物を透過しにくいです。2.4GHz帯はコードレス電話とか電子レンジとかにも使われている帯域なので干渉が起こりますが、より遠くに届きやすいです。

だから802.11acも802.11nも両方使えるようにしておきたい…というわけで、最近のWi-Fiルータでは「デュアルバンド」とか「トライバンド」といって、同時に複数の帯域で通信できるようになっているものがあります。デュアルバンドの場合、5GHzでも2.4GHzでもどちらのネットワークにもつなげられるということです。トライバンドはさらにもうひとつ5GHzを追加しているので、デバイスを増やしても遅くなりにくくなっています。

とはいえ、自分の使いたいデバイスが802.11acに対応していない場合、802.11acのWi-Fiルータにつなぐことはできても、そのメリットは生かせません。最新規格とか追加の帯域とかはコストにはねかえってくるので、必要なければ買わなくていいです。

もうひとつWi-Fiルータの機能では「マルチユーザー、マルチインプット、マルチアウトプット」、略して「MU-MIMO」なるものがあります。これは複数ユーザーが複数の場所からネットワークにアクセスしてたくさんの帯域を要求しているような環境を想定して作られています。ひとり暮らしの人なら、まずは「今すぐMU-MIMOは必要ないけど、いつか使うかも」とだけ言っておきます。家族がたくさんいてしかもみんなヘビーユーザーで、家のどこかで誰かがビデオ会議をしてるときに、別の誰かがTwitchでストリーミングをし、さらに別の誰かが映画をダウンロードしてる、みたいな激しい環境ならMU-MIMO搭載のルータを検討してもいいかもしれません。ただMU-MIMOをサポートしているタイプはまだ全部じゃないので、家のルータでこれが使えなくても世界の終わりというわけじゃありません。

で、どんなルータを買うべきなんでしょうか? これは難しい問題で、ニーズによって違います。米Gizmodo編集部がテストしたのはNetgear Nighthawk R7000P、これは802.11ac・デュアルバンド対応・MU-MIMO対応です。ブルックリンの古いレンガの地上2階・地下1階の建物でも、まったく問題なく使えました。価格は200ドル(約2万2000円)以上ですが、150ドル(約1万6000円)くらいで買える場合もあり、破産するほどじゃないです。他にこの価格帯で良かったのは、D-Link EXO AC2600(145ドル≒約1万6000円)、TP-Link Archer C3150(220ドル≒約2万4000円)、ASUS RT-AC68U(160ドル≒約1万8000円)です。

ステップ3:メッシュネットワークを使ってみる

でも環境によっては、どんなにすごいWi-Fiルータを使ったとしても、問題は解決しないかもしれません。鉄筋3階建てとかでやたら金属の配管が埋め込まれてたりする家は、Wi-Fiとは相性が良くありません。あとはとにかく広すぎる家も、ルータひとつじゃ間に合いません。

Wi-Fiルータの根本的な問題は、それがどんなに強力でも、基本的にひとつの点から限られた範囲にしか信号を送れないことです。Wi-Fiエクステンダーで電波を中継してもいいですが、その場合も結局、全トラフィックが大元のルータを通っていきます。

そこでメッシュネットワークの登場です。メッシュネットワークは名前の通り、ベースステーションがイーサネットに物理的につながっている一方、いくつかの「サテライト」ルータがベースステーションとサテライト同士の両方でつながります。それでネットワークが数珠つなぎの網の目のようになります。ということは、ベースステーションをリビングに置いて、サテライトを家中に行き渡らせれば、リーチが広がるだけでなく、トラフィックの流れもより良くなります。ひとつのノードが止まっても、別のノード経由でトラフィックを運べるんです。冒頭の米Gizmodoの動画でも、つながりにくかった地下とかトイレでWi-Fiが快適に使えるようになりました。

メッシュテクノロジー自体は何年も前からあったんですが、普通の人が使えるようになったのはごく最近です。この分野を切り開いたのはEeroという米国サンフランシスコ・ベイエリアのスタートアップで、2015年にハードウェアを発売しました。Eeroは素敵な白いベースステーションと「ビーコン」と呼ばれるノードで構成されていて、ビーコンは壁のコンセントに直接つなげられます。ただWi-Fiルータより割高で、約1500平方フィート≒139平方mカバーできるベースステーション1台で200ドル(約2万2000円)、そこに1000平方フィート=約93平方m追加できるビーコン1台が150ドル(約1万6000円)となっています。

Eeroに追随して、他社もメッシュネットワークを扱い始めました。Googleは日本にもすでに投入していて、Google Wi-Fiメッシュネットワークルータを1万6200円、または3個パック4万2120円で販売しています。Googleいわく彼らのカバレッジはEeroと同等です。NetgearもメッシュネットワークのOrbiを打ち出しました。Orbiのルータ1台で記事執筆時点でAmazonでは約1万5000円弱、カバー範囲が200平方mになるルータ+サテライト1台のセットは2万3900円です。米国ではサブスクリプション制のPlumeっていう選択肢もあります。

メッシュネットワークにしてサテライトを追加していくと、ルータ1台に比べてコストがだいぶ高くなります。なので自分の家がメッシュネットワークの恩恵を受けられるくらい広いのかどうか、最初に見極めたほうがいいです。明らかに大きい家とか、2階建て、3階建てとかなら、メッシュネットワークが向いています。でも普通サイズのマンション/アパートとか、そんなに大きくない平屋建ての家だったら、しっかりしたルータがあれば間に合うはずです。まずはできるところから、より快適なWi-Fi環境を作っていってください!

※価格は執筆時点のものです。