ペット好きのノンIT系ユーザーには最適のインターネットカメラだ
筆者が生まれて初めて自宅にネットワークカメラを導入したのは、今から15年くらい前だ。
大それた理由ではなく、単に国内外の出張先ホテルから自宅にいるペットの状況を見たいという超シンプルでおバカな発想からだった。
当時は観光地に設置する宣伝用や企業の監視目的のネットワークLIVEカメラがやっと普及しじはじめた時代だった。当時のネットワークカメラはインターネット上のどこからでもカメラを特定してアクセスするための固定IPアドレスを持っているのが常識だった。
個人ユーザーにとっては待望の楽しい商品なのに、長い間ネットワークカメラの普及の足かせになったのがプロユースのための難解な設定作業だった。
ネットワークカメラの設定には“NAT越え”や”DDNS”(Dynamic DNS)といった呪文のような技術用語を理解できる広範囲な知識と、トラブルに対処できるカンと経験が必要だった。
周囲で「ただ留守中のペットの様子を見たいだけなのに……」という声を何度聞いたことだろう。
そんな面倒なネットワークカメラの設定を100%払拭してくれる高機能なネットカメラがプラネックスコミュニケーションの「カメラ一発!」(CS-W70HD)だ(以降:W70HD)。
もし、パン・チルト機能(カメラの上下左右・首振り機能)が不要なら、より安価な従来モデルである「カメラ一発!」(CS-W06N、関連記事)を選択するのもいいだろう。
より本格的なリモート操作が可能な「カメラ一発!」
商品のウリが7つの丸で表現されているが、最右翼の「素人志向」が画期的!
W70HDはパッケージに記述されているように、難しいことが嫌いな目的第一の“素人志向”商品だ。
月旅行のSFに登場するスペースパイロットの宇宙服みたいな親しみあるデザイン
普通のネットカメラでは滅多にお目にかかれない手前の「ID/Password Card」が画期的!
パッケージを開くと、本体と“はじめにお読みください”(機器詳細や連絡先など)、“スタートガイド”(設定説明書)、“ID/Password Card”、RJ45ケーブル、ACアダプターの6点が出てくる。
昼夜別用カメラ2台、赤外線人体感知センサー、赤外線LED、温度センサー、機能表示ランプなどが多数配置された前面。出っ張りのないシンプルなデザインにまとめられている
右側面には、Wi-Fi標準かんたん設定の「WPS」ボタン、音声出力端子、microSDカードスロットが配置されている。最初の作業は、Wi-FiルーターのWPSボタンを押して、続いてこのW70HDのWPSボタンを押して、両者を自動接続すること
背面には壁面にカメラを引っ掛けるフック、電源コネクター、イーサネットポート、三脚穴と思われるモノが配置されている
W70HDは、前述したエントリーモデルであるCS-W06Nに比較して、カメラ画素数は約3倍強の100万画素になった。従来モデル同様、赤外線LEDを搭載し、周囲の明るさを自動認識。昼間、夜間とそれぞれに最適な二組のレンズを使用して最適の結果を実現する仕組みだ。
そして、撮影解像度も最大1280×800ドットに向上した。また標準でスピーカーとマイク、温度センサーを内蔵し、リモート操作端末であるスマートフォンからの音声をW70HDから発声することができる。
もちろん、設置先周囲の音を聞いたり、温度変化を遠隔から知ることも可能だ。
従来モデル同様、動体検知機能や赤外線人体感知機能も搭載し、センサーカメラとしての機能も十分。そしてW70HDの先進機能として、遠隔のスマホ画面からフリック操作をするだけでW70HD内部のカメラを上下左右(左右180度、上下90度)自由に動かして目的の箇所を確実に捉えることが可能だ。
解像度がアップし、パン・チルト機能が実現したおかげで従来のCS-W06Nに比較して使用用途は企業用途にまで広がったと言えるだろう。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。