現在のスマホ市場の売れ筋は、2020年から引き続き「iPhone SE(第2世代)」やシャープ製「AQUOS sense 5G/sense 4」など、契約込みで実売2〜3万円台かつ、防水やFeliCa決済に対応した日本向け仕様のモデルだ。そんな中、低価格や高画質カメラのスマホで存在感を増すOPPOも、高コスパの日本向け5Gスマホ「OPPO Reno5 A」を投入。この夏の注目モデルとなりそうだ。
OPPO製「OPPO Reno5 A」防水やおサイフケータイにも対応。モバイルSuicaも利用できるメーカー希望小売価格は4万3800円(税込み、以下同)。キャリアではY!mobileが扱い、価格は3万9600円だが2万1600円の割引が適用され実質1万8000円になる。SIMロックフリーモデルも楽天モバイルやIIJmioなどの事業者や量販店で販売される。IIJmioでの通常価格は3万9800円だが、MNPだと8月31日まで限定特価の2万3800円で販売する。
では、この夏の注目のOPPO Reno5 Aの実力と魅力を、人気の実売2〜3万円台の他社スマホと比較しつつ見ていこう。
必要十分な基本スペックや持ちやすさを確認する
まずは基本性能をチェックしていこう。ディスプレイは縦長の6.5型フルHD+(1080×2400ピクセル)液晶で色域はDCI-P3 100%、輝度は最大550nitだ。発色は良好で、一般的な動画視聴時の表示品質はハイエンドモデルとさほど変わりない。リフレッシュレートは最大90Hzで、マップやブラウザのスクロール時の描写がやや滑らかだ。ただ、ゲームの90fps動作は処理性能が非常に高いわけではないのであまり期待しない方がいい。
6.5型フルHD+(1800×2400ピクセル)液晶を搭載。インカメラは1600万画素(写真=左)、背面にはおサイフケータイ用のFeliCaとNFC、指紋認証センサー、クアッドカメラを搭載する(写真=右)本機の6.5型ディスプレイを触った後だと、iPhone SE(第2世代)の4.7型やAQUOS sense 5G/sense 4の5.8型は小さくやや不便に感じてしまう。大画面ながらも本体サイズは狭額縁デザインにより、幅74.6×高さ162×厚さ8.2mmとスリムで、重量も182gと画面サイズの割に軽い部類だ。手の大きさによっては片手操作もできる。
左から、AQUOS sense 5G/sense 4の5.8型、OPPO Reno5 Aの6.5型、iPhone SE(第2世代)の4.7型ディスプレイ横幅は74.6mm。やや大きめの手なら片手でも操作できる厚さ8.2mm。右側面に電源キー、左側面にボリュームキーを搭載する生体認証は指紋認証と顔認証の併用に対応しており、どちらも高速にロック解除できる。ただ、指紋認証センサーの位置が本体の上部に寄っており、手の大きさによっては片手持ちだとややロック解除しづらい。外出先では片手で本体を握り、もう片方の手でロック解除した方が安定して解除しやすい。焦って本体を落とす可能性も減らせる。
サウンドは内蔵モノラルスピーカーとイヤフォン端子を搭載。BluetoothイヤフォンはSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDACに対応。内蔵スピーカーの音は価格の割に良好だが、大画面で動画視聴向きのモデルだけにステレオスピーカーでないのは惜しい。
バッテリーの持ちや5Gの通信速度はどう?
バッテリーは4000mAhと大容量。1日持ち歩いてある程度アプリを利用してもバッテリー残量は50%程度だった。スリープ状態なら1日で13%前後しか減らないので、人によっては数日に1回の充電でも利用可能だ。充電端子はUSB Type-Cで、充電器は付属していない。別売りのUSB PD対応充電器を使えば最大18Wの急速充電を利用できる。実際に0%から100%まで、2時間3分で充電できた。
底面にイヤフォン端子とUSB Type-C端子、モノラルスピーカーを搭載。別売りのUSB PD対応充電器を使うと急速充電が可能だSIMカードスロット周りだが、Y!mobile向けモデルはnanoSIM+microSDスロット(microSDXC対応、最大1TB)だ。SIMロックフリーモデルはデュアルSIMとeSIMにも対応。SIM1のnanoSIMとSIM2のnanoSIMまたはmicroSDの排他スロットで、SIM2のnanoSIMの代わりにeSIMも利用できる。
SIMロックフリーモデルはデュアルSIMに対応している対応回線については、Y!mobile向けモデルが用意される他、SIMロックフリーモデルは楽天モバイルやIIJmioのドコモ回線とau回線のプランとセットで販売される。国内4社での利用は基本的に問題ないだろう。4社の回線で4Gの最小限の通話と通信が可能なことは確認できた。
5Gは各社が高速通信を提供するSub-6だと、3.7GHz帯のn77と3.5GHz帯のn78に対応(Y!mobile版は3.7GHz帯のn77のみ対応)。加えて、4G向け周波数帯の5G転用はY!mobile(ソフトバンク回線)で転用が進む1.7GHz帯のn3と700MHz帯のn28に対応している。
実際にY!mobile回線で5Gのスピードテストを実施したが、Sub6の基地局に近い場所では下り833Mbps上り69.3Mbpsと5Gらしい高速通信を利用できた。だが、4G向け周波数帯を5Gに転用したエリアでは下り45.8Mbps上り9.81Mbpsと速度面で4Gとの違いは見られなかった。
5Gに対応。Y!mobileかつ5Gの電波が良好なスポットでは、下り833Mbps上り69.3Mbpsでの通信を確認できた基本性能周りをまとめると、OPPO Reno5 Aの画面サイズと大容量バッテリーや省電力性能はライバル機種に対して大きな強みだ。AQUOS sense 5G/sense 4はともかく、この2点でiPhone SEは比較にならない。動画を大画面で長時間視聴したい人にとって、OPPO Reno5 Aは魅力的なモデルだ。
パフォーマンスはどう?