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「ライカ、カールツァイス、ハッセルブラッド」カメラとスマホのコラボが進んでいる

ソフトバンクから発売になった「Leitz Phone 1」は、老舗のカメラメーカー・ライカの初のスマートフォンということで日本のみならず世界中から注目を集めています。おサイフケータイが乗っていることからわかるように、このLeitz Phone 1は現時点では日本のみの販売。世界中のライカカメラの愛好家などは日本で販売されるLeitz Phone 1をどうやって入手しようか悩んでいることでしょう。

Leitz Phone 1はデジタルカメラにも搭載される1インチのカメラセンサーを搭載しています。ベースモデルはシャープの「AQOUS R6」。AQOUS R6はライカ監修のカメラを搭載していますが、ライカは提携だけに留まらず自社ブランドのスマートフォンを開発してしまいました。スマートフォンでは最大級となる大型センサーを搭載するのなら、デジタルカメラに匹敵する写真を撮ることも可能、と考えたからでしょう。

しかしスマートフォンでライカのカメラを搭載したモデルは今回が初めてではありません。2017年にライカはファーウェイと提携し、以来ファーウェイの「P」シリーズや「Mate」シリーズはライカ監修のカメラを搭載していました。日本でも複数のモデルが発売され、スマートフォン本体のカメラ部分には「LEICA」の文字が誇らしげに記されています。

ライカはデジタルカメラでパナソニックと提携していますが、そのパナソニックブランドのスマートフォンにライカのカメラを搭載したモデルもありました。2014年に発売した「LUMIX DMC‐CM1」と2016年発売の「LUMIX DMC‐CM10」です。LUMIXの名前からわかるようにデジタルカメラとして発売されましたが、スマートフォンサイズのボディーにAndroid OSを搭載、SIMカードを入れLTE通信も可能なスマートフォンでもありました。このCM1とCM10は1インチのセンサーを搭載しており、おそらくこの両モデルが「世界初の1インチセンサー搭載スマートフォン」だと思われます。

「ライカ、カールツァイス、ハッセルブラッド」カメラとスマホのコラボが進んでいる

CM1/CM10はデジタルカメラをスマートフォンに搭載する、という製品でもありました。そのためカメラ店などでも販売されたのです。一方ファーウェイのスマートフォンは「スマートフォンにライカ技術のカメラを搭載」した製品です。AQOS R6、そしてLeitz Phone 1も同様で、デジタルカメラの代替として使うにはやや非力かもしれませんが、スマートフォンのカメラ性能としては業界トップクラスの性能を発揮してくれるでしょう。スマートフォンカメラなどのベンチマークを計測する「DXOMark」でぜひAQOS R6、Leitz Phone 1のカメラ性能をスコア化してほしいものです。

さてスマートフォンメーカー各社はカメラの開発に力を入れていますが、カメラを本業とするカメラメーカーと協業することで性能を飛躍的に高められると考えているようです。ライカと協業したファーウェイのスマートフォンのカメラはここ数年常に業界トップを誇ってきました。そこで他のスマートフォンメーカーもカメラメーカーとの協業を進めています。

ソニーはカールツァイスとデジタルカメラのレンズの共同開発を1996年から始めています。そして2020年に発売された「Xperia 1 II」から、スマートフォンにも拡大しました。最新の「Xperia 1 III」もカメラ部分には「Zeiss」のロゴが入っています。

カールツアイスはソニー以外のスマートフォンとも提携を始めています。2020年に中国のVivoと提携し、2021年に発売されたVivoのカメラ強化スマートフォン「X60」シリーズにカールツァイスと開発したカメラを搭載。デジタルカメラと同じ青い背景の「Zeiss」ロゴがVivoのスマートフォンには埋め込まれています。

カールツァイスはスマートフォン全盛時代より前に海外ではノキアと提携していました。2006年発売の「N73」は日本でもソフトバンクから「705NK」として発売されたのを記憶している人もいるかもしれません。N73のカメラ部分にはしっかりと「Carl Zeiss」の名前が刻まれています。その後はノキアのカメラフォン「808 Pureview」などもカールツァイスカメラを搭載、最新のAndroidスマートフォン「X20」にも引き継がれています。

2021年にはハッセルブラッドと中国OnePlusが提携、「OnePlus 9」シリーズにハッセルブラッドのカメラが採用されました。ハッセルブラッドはモトローラの合体式スマートフォンのモジュール「Hasselblad True Zoom Camera」を2016年に発売しており、スマートフォン業界への足がかりはすでに出来上がっていたのでした。モトローラの合体式スマートフォンはすでに終了してしまいましたが、今後はハッセルブラッドとモトローラのスマートフォンの協業もあるかもしれません。

デジタルカメラ市場は年々縮小しており、老舗のカメラメーカーにとっては厳しい環境がこれからも続きます。スマートフォンメーカーとの協業は「カメラ技術」「信頼のブランド」を提供し、新しいビジネスチャンスが得られるという大きなメリットがあります。今後は他のカメラメーカーとスマートフォンメーカーの提携が加速化することは間違いないでしょう。