毎年9月はドイツ・ベルリンで家電総合の見本市「IFA」が開催され、いくつかのメーカーがスマートフォンの最新機種を発表・展示することから、筆者はこの時期ドイツへ行くのが通例となっています。
そして、海外出張で欠かせないのが通信手段を確保すること。ドイツではこれまで、現地で安価に入手できるデータ通信専用のプリペイドSIMを買うことが多かったのですが、ここ2、3年のうちに外国人向けのプリペイドSIMの販売が制限され、買いづらくなってしまったことから、最近では国内で、安価に国際ローミングが使えるサービスを揃えてから出張に行くようにしています。
ヨーロッパの中でも比較的治安がいいと感じるドイツですが、それでも日本とは環境がかなり違うので、念には念を入れて複数の通信手段を用意。具体的にはキャリアの国際ローミングのほか、「iPhone XS」のeSIMで利用できる「Ubigi」「GigSky」などのサービス、単体で海外データ通信ができるクラウドSIM対応の「Jetfon P6」、さらに端末を選ばずデータ通信ができる手段として、日本でもネット通販で入手できる、タイのAISが提供する国際ローミング用のSIM「SIM 2 Fly」も揃えています。
海外出張の際はeSIMで使える「Ubigi」などのサービス、単体で海外通信ができる「Jetfon P6」、そしてスマホを選ばず使える「SIM 2 Fly」の3つを用意今回のドイツ出張では主にJetfon P6を使っていたのですが、ホテルのWi-Fiの調子がイマイチだった上、日程が重なってしまった楽天モバイルの発表会をネット配信で視聴したこともあって、いつもより多くデータ通信量を消費。残りあと1日というところで、容量が100MBを切ってしまいました。
これはまずいと思い、取り急ぎSIM 2 FlyをHUAWEI P30に挿入してアクティベートしたのは良いのですが、そのあと意外にも外でデータ通信を使う機会があまりなく、数十MBを残して無事帰国できてしまったのです。
HUAWEI P30にAISのSIMを挿入。デュアルSIMなので普段利用しているIIJのSIMも挿入したまま使えるのが嬉しいそれゆえ帰国後に困ったのが、開通したばかりのSIM 2 Flyの容量がほぼ丸ごと無駄になってしまうこと。しばらく海外出張の予定はないのでどうしたものか……と思いよくよく確認してみると、日本もローミングの対象に含まれているではありませんか。それならばと、そのまま国内で残り容量を使い切ることにしました。
SIM2スロットに挿入したのがAISのSIMなので、デフォルトのデータ通信をそちらに変更。ローミング先はソフトバンクとなるようだ日本でSIM 2 Flyを使ってみたところ、ローミング先はソフトバンクとなり、ソフトバンク回線での通信が可能となりました。MVNOではなくローミングなので、昼間にデータ通信の速度が落ちないのが大きなメリットですが、一方でタイのSIMゆえか「タイからのアクセス」と判断されてしまい、一部の国内動画サイトが視聴できなくなるのがデメリットといえます。
とはいえ、海外で余った容量を日本国内でも無駄なく使えるというのはとても有り難いこと。国内で利用するために購入するにはさすがに割高なSIM 2 Flyですが、海外出張の役に立ち、なおかつ余った容量でその月の“ギガ死”を和らげるという意味では、役立つといえそうです。