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ファーウェイの「Honor切り離し」の背後にある中国政府の影

台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

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ファーウェイの「Honor切り離し」の背後にある中国政府の影

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ファーウェイとオナー(Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images)

中国のファーウェイは11月17日、携帯電話部門のサブブランドの「Honor(オナー)」を政府が関わるコンソーシアムに売却することを発表した。ファーウェイは米国政府の禁輸措置により、米国製のチップが入手出来なくなっている。同社から分離されたHonorは、米国政府の規制を回避できるが、ファーウェイのリソースへのアクセスを失うことになる。アナリストらはさらに、Honorが米国政府の新たな規制に直面する可能性もあると警告した。「この動きは、Honorが自らの存続を確保するための措置だ。ファーウェイのコンシューマビジネスは最近、とてつもないプレッシャーにさらされているが、これは当社のスマートフォン事業に必要な、技術要素が持続的に利用できないことに起因している」とファーウェイは声明で述べた。同社の発表によると、深センのShenzhen Zhixin New Information Technologyが、Honorの全ての資産を買収し、サプライチェーンの救済にあたるという。今回の買収は、Honor とつながりを持つ30以上の代理店とディーラーで構成されるコンソーシアムからの提案で実現したという。このコンソーシアムは、政府が運営する深センのスマートシティ関連の団体が設立したもので、政府系のエネルギー企業やヘルスケア企業、投資会社なども加盟している。さらに、中国最大の民間企業に数えられる、スポーツや小売、エンタメの複合企業である「スンニコム(Suning.com)」グループも参加している。IDCのアジア太平洋地域の主任アナリスト、Kiranjeet Kaurは「今回の措置はHonorの延命措置となるが、Honorはファーウェイとのシナジーを失うことになる」と指摘した。「2社はこれまでR&Dやデザイン部門を共有してきたが、分離によってどれほどの負担が生じるのかは未知数だ。さらに、Honorが今後どのように差別化を果たすのかも見えてこない」

買い手は政府系のグループ

さらに、今回の買収を主導したコンソーシアムと、中国政府のつながりの深さを、米国が警戒心する可能性もある。「この買収の背後にいるのは、戦略的な投資家ではなく、政府とのつながりの深い集団だ」と、中国の金融テクノロジー関連のアナリスト、アレクサンダー・シラコフは話した。米国の次期大統領のジョー・バイデンは、国内問題に集中しているため、当面の間、ファーウェイに対する措置を取りやめることは無さそうだが、新たな制裁措置を追加することもないかもしれない。ファーウェイは今回の声明で、米国の制裁措置については言及してない。Honorは2013年に廉価版ブランドとして設立され、アジアの新興国では平均156ドル程度で販売された。「私たちは、新会社となったHonorが、栄誉ある新たな道に乗り出すことを期待している」とファーウェイは述べた。

編集=上田裕資

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