ミドルレンジやエントリーモデルを中心に着々とNokiaブランドのスマートフォン新製品を投入しているHMD Globalから、ちょっと変わったモデルが出てきました。アウトドア仕様のタフなスマートフォン「Nokia XR20」です。
【訂正:2021年12月8日19時50分 初出時、HMD Globalの社名に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】
Nokiaブランドのタフな5Gスマホが登場Nokiaの5Gスマートフォンは、2021年に入ってから5機種が登場しました。いずれもプロセッサはSnapdragon 480、カメラも「Nokia X20」が6400万画素を搭載する他は4800万画素が最高画質で、価格を抑えた製品ばかりとなっています。ライバルはSamsungやAppleのハイエンドモデルではなく、ボリュームゾーンを狙う中国メーカーのコスパモデル。しかしそうなると価格勝負になってしまい、厳しい競争が待っています。そこでXR20はタフ仕様の製品として差別化を図ろうとしているのです。
ディスプレイは「Gorilla Glass Victus」で守られている本体は樹脂製ですが割れにくい構造のようで、背面は滑り止め加工がされています。IP68の防水・防塵(じん)、MIL-STD-810Gに準拠。カバーが外れて電池交換できればよりよいのですが、水中への落下などを考えるとむしろ外れない方がいいですね。
滑り止め加工された背面。カメラは2眼だ右側面の「NOKIA」ロゴが誇らしげですね。側面の上下は厚みを増して落下したときの耐衝撃性を高めています。電源キーは指紋認証センサーを兼ねますが側面から1段窪んだ位置に配置し、指先の感覚だけでキーに触れやすいデザインにしています。ボリュームキーは上と下が分離。これも暗いところなどでの操作を考えてのことでしょう。
右側面にはNOKIAのロゴが入っている左側にはGoogle アシスタントキーを配置。なお、このXR20は本格的なアウトドアユースというよりも、休日にハイキングに毎週出掛ける、といったライトな屋外利用を考えている製品なのかもしれません。全体的なデザインもスタイリッシュですよね。
左側にはGoogle アシスタントキーを搭載このGoogle アシスタントキーは他の機能を割り当てられれば便利なのにと思ったのですが、実はプログラムキーは本体上部に搭載されているのでした。赤いキーはデフォルトでSOS発信となっており、登録先の電話番号にワンタッチで発信してくれます。また自分の好きなアプリなどを登録することも可能です。
本体上部のSOSボタンはカスタマイズ可能。左側はSIMトレイを抜いた状態本体下部には3.5mmヘッドフォン端子を備えます。
本体下部はUSB Type-Cとヘッドフォン端子カメラを改めて見てみましょう。Zeissとの提携は他のモデルと同様で、Zeissはソニーやvivo、そしてNokia(HMD Global)とカメラ技術で提携しています。アウトカメラは4800万画素で超広角1300万画素と組み合わせた2眼です。実はNokiaの5Gスマートフォンで超広角に1300万画素カメラを搭載したのはこのXR20が初となります。このカメラの組み合わせも多少プレミア感を持たせようとしているのでしょうか。
2眼ながらもカメラ性能は悪くないNokiaのスマートフォンでおなじみのデュアルカメラを使った動画撮影「Dual Sight」などを行ってみましたが、画質は悪くないですね。タフ仕様のスマートフォンは中堅どころのメーカーが出しているものの本格的なつくりで、日常的に使うにはこのXR20くらいのデザインがいいかもしれません。本体の仕上げもさすがはNokiaという感じで悪くないのですが、購入には大きな障壁があります。それは価格が高いのです。
4800万画素カメラとフロント1300万画素を同時に使った動画撮影XR20の価格は価格は549.99ドル、約6万3000円です。単純にSnapdragon 480搭載端末と考えてはいけないのでしょうが、他のメーカー、特に中国メーカーならSnapdragon 700番台のモデルで5万円以下で買えるものも多数あります。日本で発売されるXiaomiの「Mi 11」はDimensity 1200搭載で5万4800円です。タフ仕様という特徴を持つものの、価格はせめて499ドルくらいにしてほしかったなというのが筆者の個人的な感想です。
HMD Globalとしても本体スペック以外の部分で高付加価値をつけることで価格を引き上げたのでしょうが、さてどれくらい売れるのか、また年明けくらいに値下げがあるのか、気になるところです。