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LINE、ガバナンス体制およびリスク管理体制の強化について発表

LINEは10月18日、今後のガバナンス体制およびリスク管理体制の強化についての方針を発表した。これは、Zホールディングスが設置した外部有識者からなる「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」(以下、特別委員会)が同日に発表した最終報告書を受けたもの。

同社では、「LINE」のサービス利用者の一部の個人情報に日本国外の拠点からアクセスしていることが問題となった2021年3月以降、データの取り扱いについて、特別委員会にてセキュリティ・ガバナンスの観点からの検証・評価を受けてきた。同社はこのプロセスを通じて事業・会社の成長に見合ったガバナンス体制・リスク管理体制の整備が追いついていなかったという認識を示し、今後実施する改善・強化策をを発表することとなった。

発表された改善・強化策は、大別するとデータの安全な管理体制に関わるものとステークホルダーへの説明責任に関わるものに分けられる。詳細な内容は以下のとおり。

グループのリスクを管理する組織体制について、20217月1日付でリスク管理部門をセキュリティ部門から独立させてCEO直下に移管。リスク管理部署においてグループ全体のリスクを一元的に管理・分析するなど、リスク管理の強化を実施している。

事業部門による自立的なリスク管理活動の強化を進める。

具体的には、2021年7月より順次、各事業部門にリスクマネージャーを設置し、リスクマネージャーがサービスごとの固有のリスクに対するルールの策定・浸透を担うことで、事前のリスク回避を図り、安心して利用できるサービスの開発・運営を行う。

さらに、10月1日付で、CEOを委員長とするリスク管理委員会を設置。グループ全体の戦略と事業目標の達成に影響を及ぼすリスクについて議論し、対応策を決定していく。加えて全社的なガバナンス機能/リスク管理機能の強化と整理を行うタスクフォース(CEO直下)と開発ガバナンスの具体的な実行を担うタスクフォース(CTO直下)を設置し、その共同により各管轄部署による改善策の進捗状況等の管理を行う。

LINE、ガバナンス体制およびリスク管理体制の強化について発表

10月15日付で新たに管理部門統括執行役員を配置するとともに、子会社管理部門を新設し、グループ子会社(海外子会社を含む)のガバナンス強化と密な連携を図る。

グループ会社内での協業にとどまらず、LINEが事業主体となる共同開発や開発委託等のプロジェクトにおいて、同社が承認したプロセスが適切に運用され、運用の透明性が担保されるよう、グローバルな連携体制を再構築し、一層強化する。

CTO直下に、海外子会社を含むグループ全体における開発業務のシステム化および技術戦略体系化などを担うCTO室を設置し、前述の開発ガバナンスの実行を担うタスクフォースとともに、開発・品質管理・障害対応等に関わるルール・ガイドラインの策定および運用、策定したルールの運用に関する点検プロセスの整備を進める。

個人情報保護委員会および総務省からの指導に対してこれまでに検討・実施してきた具体的な改善策に加え、各サービスで取得した個人情報の管理の一元化と管理状況の網羅的な把握の強化のため、グループ各社や各サービス共通の個人情報管理台帳の整備を含め、個人情報管理の可視化およびそのための環境整備を進めている。

前述のCEO直下のタスクフォース、および事業部門と管理部門の連携体制を強化すること等を目的とした会議体において、取締役・上級執行役員や管理部門責任者等の関係者が必要な情報共有などを行うことにより、情報共有の横連携を図っていく。

これまで、公共政策部門および政策渉外部門において、対外的な情報発信の具体的内容まで踏み込んだ正確性・適切性を組織的に担保する仕組みが整備されていない等の課題があった。

これに対し、各部署から、政党/政治家/官公庁/地方自治体等の公的セクターへの交渉など渉外活動を伴う対外コミュニケーションを行う際に用いる資料を、関係する技術部門や事業部門等の第1線部門に加え、必要に応じて法務やセキュリティ等の専門部門、広報部門やコンプライアンス部門を経て、政策渉外部門が事前に検証することとした。また事後的に、当該資料の作成から完成、提示、議事録の検証までの過程を内部監査部門が監査する体制の整備を行っていく。

説明責任強化の観点から、LINEの広報機能を強化し、ステークホルダーへ正しい情報を発信するための取り組みを推進していく。その一環として、10月1日付でZホールディングスより広報担当のスタッフを迎えており、今後Zホールディングスとの連携も強化していく。

LINEでは、これらの各取り組みを着実に実行していくことで、ユーザーおよび関係者に安心してサービスを利用してもらえるデータ管理体制を構築し、正確性と透明性をもってユーザーや社会の目線に立った対外コミュニケーションを徹底していくという。