13.5億人がゴゴゴゴゴゴ…。
TikTok最大利用国のインドがTikTokの使用を禁じ、想像を絶する規模のエクソダスが進行中です。
ヒマラヤ国境ラダックの印中衝突で兵士20人が死亡したことに対する報復措置。これまでTikTokがインド進出に投じた10億ドル(約1075億円)余りの投資はこれでパーとなり、世界のユーザーの3分の1を失う痛手に相当。運営会社ByteDanceが受ける総被害額は60億ドル(約6450億円)にものぼるとされます。
ダメージ順に選んだとしか思えないリスト
インド政府が29日に禁じた中国系アプリは全部で59種あり、ほかにもTencent(騰訊)のQQアプリ群、中国版FacebookのWeChat、中国版ツイッターのWeibo、TikTokの競合Kwai(快手)、モバイルブラウザの UC Browser、LenovoのスピンオフSHAREit 、検索エンジンBaidu(百度)の地図、インド国内最大スマホベンダーXiaomiのMiコミュニティとビデオコール、 城育成シミュレーションRPG「クラッシュ・オブ・キングス」など錚々たる顔ぶれです。
各アプリのアクティブユーザー数は、こちらのIndia Todayの報道番組で見れます(9:00~)けど、おのおの1億人単位でドッカーン、ドッカーンとくる感じ。こりゃ中国たまったもんじゃないですよね。
「Delete China」、「インド・ファースト」で挙国一致
国民はおおむね政府の決定を支持しています。中国製アプリを一斉削除する「Remove China Apps」なんてアプリが大人気で、「Delete China」「インド・ファースト」が今や国民の合言葉。昔は平和五原則で仲良くやっていたのに、やっぱり国境の恨みは怖い…。
次はHUAWEI?
中国からの投資案件を反故にする動きは高速道、橋、モノレール、発電所、4Gネットワーク、自動車製造など広い分野に拡大しており、「HUAWEI(ファーウェイ)とZTEを禁じたアメリカに続け」という声さえあります。ファーウェイはインドに20年前に進出して現地に7,500人の社員を抱える大企業なので、そうそう簡単にいかない面もありますが、やはり英、カナダ、豪、シンガポールがHUAWEI排除を決めたことが大きいのか、インドも「通信インフラは国産で固めないと国家の非常時に安心できない」という認識に急速に傾いているようです。
アプリ禁止の具体的な期間や進め方はまだわかりませんが、AndroidとAppleのストアからはすでに取り下げとなり、みな国産アプリや米国のアプリに乗り換え中です。ダウンロード禁止なのはもちろんですが、ダウンロード済みのアプリの使用も禁じられることが徐々に明らかになり、気の早いインフルエンサーはもうサッサと見切りをつけて「インスタ、YouTubeをフォローしてね」とハッシュタグ「#byetiktok」で別れの挨拶を配信していますよ。
軽やかだ…。
Source: Government of India、Global Times