過去2番目に多い出荷台数を記録
コロナ禍のこの1年は、PC業界にとっては、好調な1年であった。
業界団体である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、先頃発表した2020年度(2020年4月~2021年3月)の国内PC出荷実績によると、出荷台数は前年比27.5%増の1,208万3,000台となった。
同統計で1,200万台を突破したのは、2013年度に1,210万9000台を出荷して以来、7年ぶり、2回目のことだ。
2013年度は、Windows XPのサポート終了に伴う買い替え需要と、消費増税前の駆け込み需要が重なり、特需に沸いた1年だったが、2020年度はこれに匹敵する状況だった。しかも、2013年度との差は、約2万6,000台。過去最高台数の更新にもう少しで手が届くところまできていた。業界関係者の間からは、「需要は旺盛であり、もし部品の調達が安定していたら、過去最高を更新していた可能性がある」との声もあがる。
需要の勢いは、後半にかけて加速した。
2020年度上期(2020年4~9月)は、前年同期比1.8%減の495万2,000台と前年割れに留まっていたが、2020年度下期(2020年10~2021年3月)は、前年同期比60.9%増の713万1,000台と前年実績を大きく上回る出荷台数となった。ちなみに、下期の出荷台数としては、過去最高の実績となっている。
とくに、今年に入ってからの勢いは異常だった。
2021年1月は前年同月比109.8%増、2月が115.5%増と、いずれも2倍以上の成長を遂げていたからだ。なかでも、1月の大幅な成長は特筆できる。というのも、前年1月にはWindows 7のサポート終了を迎え、駆け込み需要が見られ、前年同月比17.4%増と成長しており、比較する分母が大きくなっていたからだ。それにも関わらず、その実績を2倍も上回る実績となったのだ。