ASCII Power Review 第163回
Core i7-11370HにRTX A2000内蔵です
2022年02月16日 13時00分更新
文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団
マイクロソフトは、ディスプレー中央に180度折り曲げ可能な「Dynamic Wovenヒンジ」を採用し、ノートPC、ビューワー、タブレットスタイルで利用できる2 in 1 PC「Surface Laptop Studio」を3月1日に発売する。
ちょっとばかり年季の入ったPCユーザーなら、本製品を見てラバーヒンジにより同様の変形機構を先行して実現した「VAIO Z」のフリップモデルを思い出すだろう。
しかし、Surface Laptop Studioはビューワースタイルを新たに追加。ノートPCがコンテンツビューワーとしての役割を増している現代において、着実に進化を遂げている。と言うわけで今回は、特に2 in 1 PCとしての使い勝手に注目してレビューをお届けしよう。
マイクロソフト「Surface Laptop Studio」一般向け:20万9880円(税込)、法人向け:18万8800円(税抜)
法人向けモデルは柔軟なラインナップ
Surface Laptop Studioには下記の通り、一般向けが5モデル、法人向けが7モデルラインナップされている。●一般向け(※OSはWindows11、価格は税込み)・Core i5-11300H / iGPU / RAM16GB / SSD256GB / Officeあり(20万9880円)・Core i5-11300H / iGPU / RAM16GB / SSD512GB / Officeあり(23万1880円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM16GB / SSD512GB / Officeあり(27万380円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM32GB / SSD1TB / Officeあり(34万1880円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM32GB / SSD2TB / Officeあり(39万280円)●法人向け(※OSはWindows 10または同11、価格は税抜き)・Core i5-11300H / iGPU / RAM16GB / SSD256GB / Officeなし(18万8800円)・Core i5-11300H / iGPU / RAM16GB / SSD512GB / Officeなし(20万8800円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM16GB / SSD512GB / Officeなし(24万3800円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM32GB / SSD1TB / Officeなし(30万8800円)・Core i7-11370H / RTX3050Ti / RAM32GB / SSD2TB / Officeなし(35万2800円)・Core i7-11370H / RTX A2000 / RAM32GB / SSD1TB / Officeなし(37万3800円)・Core i7-11370H / RTX A2000 / RAM32GB / SSD2TB / Officeなし(41万7800円) CPUは第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-11300H」(4コア8スレッド、最大4.40GHz)か「Core i7-11370H」(4コア8スレッド、最大4.80GHz)のどちらか。 ディスクリートGPUは、なし、「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU」、「NVIDIA RTX A2000 Laptop GPU」の3パターンになる。 メモリーは16GB、32GB(LPDDR4x)、ストレージは256GB、512GB、1TB、2TBを用意。法人向けモデルはOffice非搭載で、OSとディスクリートGPUを選択可能と、より柔軟なニーズに応えられるラインナップとなっている。
これ以外のスペックは共通。ディスプレーは「PixelSense Flow」と名付けられた14.4インチ液晶(2400×1600ドット、201ppi、比率3:2、コントラスト比1500:1、Dolby Vision対応、リフレッシュレート最大120Hz、10点マルチタッチ対応、Microsoft Pen Protocol対応)。ディスプレー上部には、顔認証カメラ(IRカメラ)、1080p RGBカメラ、「Dual far-field スタジオ マイク」、環境光センサーを内蔵する。
インターフェースは、Thunderbolt 4/USB4×2、Surface Connectポート×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1を装備。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.1をサポートする。
本体サイズは323.28×228.32×18.94mm、重量は最小1742.9g。公称58Wh / 最小56.3Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はCore i5モデルが最長19時間、Core i7モデルが最長18時間と謳われている。
ちなみにVAIO Zのフリップモデルは、13.3型ディスプレーを搭載し、サイズは324.2×215.3×15.0~16.8mm、重量は約1.35kgだった。ディスプレーサイズが異なるので単純比較はできないが、軽さという点ではVAIO Zのフリップモデルに軍配が上がることになる。
本体天面。ボディーカラーはプラチナのみで、材質はマグネシウムとアルミ。中央にあるのが180度折り曲げ可能なケーブルを内蔵した「Dynamic Wovenヒンジ」だ
本体底面はフラット。安定感の高そうなバータイプのゴム足が前後に装着されている
「14.4インチPixelSense Flowディスプレイ」のスペックは、解像度2400×1600ドット(201ppi)、比率3:2、コントラスト比1500:1、Dolby Vision対応、リフレッシュレート最大120Hz、10点マルチタッチ対応、Microsoft Pen Protocol(MPP)対応
キーボードは83キー(電源ボタン含む)の日本語配列仕様
本体前面(上)と本体背面(下)
右側面(上)には3.5mmヘッドフォンジャック×1、Surface Connectポート×1、左側面(下)にはThunderbolt 4 / USB4×2を用意
パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類(クイックスタートガイド、安全と規制に関するガイド、保証書、PCリサイクルシール)が同梱
ACアダプターのコード長は実測146cm、電源ケーブルの長さは実測98cm
ACアダプターの仕様は、入力100-240V~1.5A、出力15V 6.33A 95W、5V 1.5A 7.5W
本体の実測重量は1818g
ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測378.5g
どのスタイルでも底面接地で安定して利用できるカタチ
Surface Laptop Studioとほかの2 in 1 PCを比較したときの最大の違いは、どのスタイルでも底面が接地すること。コンバーチブルタイプの2 in 1 PCはスタンドモードではキーボードが接地し、テントモードでは側面が接地する。コンバーチブルタイプおよびデタッチャブルタイプの2 in 1 PCはタブレットモードではキーボードが接地する。
ディスプレーを動かすだけで「ラップトップモード」、「ステージモード」、「キャンバスモード」に変形でき、どのモードでも底面接地で安定利用できることが、Surface Laptop Studio最大のアドバンテージだ。
左上は「ラップトップモード」、右上は「ステージモード」、左下は「キャンバスモード」。目的に応じて3つのモードを使い分けられる
「ラップトップモード」の最大展開角度は実測140度
「ステージモード」の角度は実測122度
認証情報やシリアルナンバーはディスプレー裏のヒンジの上に記載されている
キーボードのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.4~1.5mm。ほかのSurfaceシリーズと比べて打鍵感などに大きな違いはないが、密接しているキーはひとつもなく、配列も自然。フルスピードで入力できるキーボードだ。
キーピッチは実測19mm前後
キーストロークは実測1.4~1.5mm
キーボードバックライトは明るさを3段階で調整できる
Surface Laptop Studio用デジタイザーペンとしては、触覚フィードバックに対応する「Surfaceスリムペン2」が推奨されているが、タッチパッドも触覚フィードバックを実現した「プレシジョンハプティックタッチパッド」が採用されている。
これは振動によりクリック感を再現するタッチパッドで、ごく軽い圧力でクリック操作が可能。ストロークの長いダイビングボード構造のタッチパッドのように、指がずれて誤操作することはない。個人的にはすべてのノートPCで採用されてほしいと思うほど気に入っている。
タッチパッドは触覚フィードバックが与えられた「プレシジョンハプティックタッチパッド」を採用。クリック感は自然、かつ正確な操作が可能。サイズは実測120×80mm
パームレスト前面には「Surfaceスリムペン2」を磁力で装着し、充電できる
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