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トランスフォームスマホの最新「Moto Z4」をハンズオンレビュー:あいつが帰ってきた!

これ、意外とベストスマホに?

Motorola(モトローラ)ならびに親会社のLenovo(レノボ)は、このところ急速に業績を回復しているみたいです。一時は経営難に陥っていたとされるMotorolaですけど、昨年後半からは久々の黒字化。そして、その勢いを駆って、Motorolaにしてはハイエンドなスマートフォンとなる「Moto Z4」をリリースし、グンとユーザー層を広めたい狙いもあるようですよ。

なんといっても、ユーザーが自由自在に専用モジュールで機能を追加できる「Moto Mods」に対応していますし、まさかのイヤホンジャックの復活が、かえって心を打つ可能性もありますものね!

しかしながら、これは他メーカーのフラッグシップモデルと争えるレベルではありません。日本円にして5万円台となる500ドルで購入できるMoto Z4。そのスペックは、CPUにQualcomm(クアルコム)のSnapdragon 675プロセッサーを採用し、RAMは4GBのみという控えめなもの。

とても、Samsung(サムスン)の「Galaxy S10」や、ややスペックを落とした「Galaxy S10e」とも太刀打ちはできません。むしろ、よりミッドレンジ寄りになった、400ドルでGoogle(グーグル)が発売した「Pixel 3a」ですとか、昨年モデルの「OnePlus 6T」などが、対抗機種としては有力になってくるでしょう。

とはいえ、Moto Z4には、6.4インチのフルHD+表示の有機ELディスプレイ、128GBのストレージ容量、ディスプレイに埋め込まれた指紋センサー、高級感のあるガラス製の本体デザインなどなど、格安スマホの仕上がりを超える魅力も備えています。microSDカードスロットがついていますから、容量拡大も容易ですよ。もちろん、ZシリーズでおなじみのMoto Modsにも完全対応しています。

「Moto ZシリーズはMoto Modsがあるからこそ好きなんだ!」といったコアなファンユーザーが存在していて、最新モデルのMoto Z4でも、引き続きサポートが継続されていることを歓迎する流れも強いことでしょう。ただし、基本的には、当初の3年間はMoto Mods対応を約束するとしてリリースされてから、すでに前モデルの「Moto Z3」で、3年の時が流れています。ですから、今後はMotorolaが、Moto Modsのプラットフォームは終了すると、突然宣言したとしても、だれも文句は言えません。

トランスフォームスマホの最新「Moto Z4」をハンズオンレビュー:あいつが帰ってきた!

新たに5G通信機能を追加できるMoto Modsも、Verizonからリリースされました。つまり、Moto Z4でも5G対応が可能というわけですが、ほかに目立った新シリーズのMoto Modsの追加はないままZシリーズの新モデルがリリースされたという意味で、ややMotorolaのMoto Modsへの姿勢に変化も見られ始めているのかもしれません。

でも、もっと注目すべきことは、驚きのイヤホンジャックの復活でしょう。一度は廃止されたのに、またイヤホンジャックが戻ってくるなんて、あまりスマホメーカーでは前例のないことでは? 初代の「Moto Z」ではなくなっていたものが、3年の時を経て復活しているんです。

北米の商品オペレーション部門を統括するDoug Michau氏によると、これはユーザーからの苦情が原因なんだとか。過去のZシリーズの満足度調査は、全般的にはよいものでしたが、そのなかで常に不満の原因として指摘されてきたのが、イヤホンジャックがない点だったとのこと。そこで、この苦情を聞き入れる形で、Moto Z4には、懐かしさも感じられる3.5mmのイヤホンジャックが標準装備されることとなりました。

なお、Moto Z4には生活防水程度のコーティングが備わってはいるものの、IP規格に準拠した防水性能はないため、決して水没させたりはしないようにしてくださいね。あと、最近では、多くのフラッグシップモデルに標準で備わるようになった、ワイヤレス充電機能も装備されていません。もちろん、Moto Modsを購入し、なんとか後付けで対応させるという手段は残っていますが…。

ちなみに、Moto Z4のリアカメラは、これまた最近では珍しく、レンズ1個のみの仕様です。より低価格モデルの位置づけとなる「Moto G7」にさえ、リアカメラはデュアル仕様と決まっているの…。ですが、Motorolaは、シンプルなデザインに仕上げ、唯一備わるカメラレンズを最高によいものにするため、このような仕様になったと説明しています。確かにメインカメラの48メガピクセルに、フロントカメラの25メガピクセルという性能には、十分に満足できることでしょう。

フロントカメラもリアカメラも、4ピクセルを1つの大きなピクセルとして扱う「ピクセルビニング」機能に対応し、全体的な解像度は落ちるものの、暗い場面でも明るい写真が撮れるようになっています。そして、GoogleやSamsung、Huawei(ファーウェイ)などのメーカーが、暗所での撮影に特殊なモードを用意しているように、Moto Z4にも「Night Vision」の撮影モードを標準装備。また、背景をぼかしたポートレイト撮影モードも使えますよ。

まだNight Visionの性能はチェックできていませんけど、カメラにこだわりたい人は、Moto Modsで強化すればよいわけですし、Moto Z4の魅力はカメラにあるわけではないので、それほど気にする必要はないでしょう。なんといっても、なかには5G対応を目的で、Moto Z4にアップグレードするVerizonのユーザーもいるわけで、その購入モデルを、これから数年間はMoto Modsを駆使すれば、自由自在にカスタマイズできるなんて保証は大きな魅力となるでしょうね。

米国内では、いまMoto Z4は、Verizonが特別セールで売り出し中で、500ドルの販売価格が、Verizonと新規契約を結べば240ドルで購入できるようになっています。あるいは、SIMフリー版のMoto Z4を、Amazonなどで購入すれば、無料で「Moto 360 Camera」のカメラモジュールのMoto Modsがもらえるセールも開催中。気になる人は、今月の発売キャンペーンが狙い目ですよ。

しかしながら、SIMフリー版のMoto Z4では、発売直後は5G通信機能を追加するMoto Modsが使えません。そしてたとえVerizonのユーザーでも、ソフトウェアアップデートが提供されるまでは、SIMフリー版は5Gに対応していないそうです。