Androidスマートフォンの画面上部から引き出せる通知パネル。ここには、Wi-Fiやモバイルデータ通信のオン・オフ、画面回転や位置情報通知の有効・無効なんかのシステム設定を切り替えるスイッチボタンがあるのはみなさんご存じの通り。正式には「クイック設定パネル」と呼ばれているものだ。配置されているボタン(タイル)は位置を入れ替えられるので、よく使うものを指の届きやすい位置に変えることも可能になっている。
タイルの右下にある「編集」をタップすると……このようなクイック設定パネルのカスタマイズができるようになるで、実はかなり以前のAndroid 7.0から、このクイック設定パネルに一般のアプリも自由に独自のタイルを追加できるようになった。まあ筆者は最近になって今さらながらそのことを知ったわけなんだけれども……。それはともかく、これを活用すれば、通知パネルを引き出してタイルをワンタップするだけで、なんらかのアクションを実行するショートカット機能を実現できる。
端末標準で使えるタイルには、先ほど挙げたような通信関連のオンオフや、画面表示に関わる有効・無効といったシステムに関連するものが多く、うまく入れ替えて使えばそれだけでもかなり便利。だけれども、一般のアプリにはさらにユニークな機能のタイルを追加できるものがあるので、これを活用しない手はない。
たとえば睡眠分析アプリの「Sleep as Android」をインストールすると、ワンタッチで睡眠分析を開始するタイルを追加できる。スマートライトの「Hue」を制御可能な「Hue エッセンシャル」では、設定済みの任意のライトのオンオフをタイルから切り替えられる。メッセージアプリの「+メッセージ」だと、着信通知の有効・無効を変更するタイルを追加でき、検索ツール「Microsoft Bing 検索」をインストールすると、Web・画像検索機能と最新ニュースを表示する「Contextual search」というタイルが使えるようになる。
「睡眠の解析」は「Sleep as Android」アプリ、「2F Counter(トグル)」は「Hue エッセンシャル」アプリ「Hue エッセンシャル」でライトをオン・オフするタイルを設定。無料ユーザーだと1つだけ。130円の課金で複数登録が可能になる。「Contextual search」のタイルをタップするとWeb・画像検索も可能な最新ニュース画面をポップアップするタイル編集画面で、下にあるタイルを上にドラッグすることで好きなものを追加したり、入れ替えたりできるいろいろ機能を増やして便利にしたいところだが、ちょっと面倒なのは、Google Play上でクイック設定タイルに対応したアプリを簡単に探す術がないこと。ほとんどの場合は、実際にダウンロードしてインストールしてみないことにはわからない。Google Playのアプリダウンロードページで説明していることはまれだ。ただし、クイック設定パネルの拡充だけを目的にしたアプリは見つけやすいので、これを活用するのがおすすめ。
なかでも豊富な機能を用意している「Tiles」が個人的にプッシュしたいところ。120円の有料アプリだけれど、任意のアプリとアプリ画面(アクティビティ)を起動できるランチャー機能や、現在地の天気をポップアップする機能、テキストですぐさまメモを取れる機能へのショートカットなどをタイルとして追加できる。任意の残り時間からスタートするタイマーもタイル化できるので、筆者はラーメンタイマー用として3分のタイルを登録している。今日もラーメンがうまい。
クイック設定タイルを充実させるアプリ「Tiles」Tilesで有効にしたいくつかのタイルを追加してみた複数のアプリを登録しておけるランチャーの設定タイルのタップでランチャーウィンドウがポップアップする現在地の天気を表示3分のタイマーを登録。タップするだけでラーメンタイマーがカウントダウンするこれまでだと、通知パネルのまさしく通知する部分にボタンを常時表示するようなアプリがあって、機能としては便利だが使っていない普段は目障りで仕方がない、みたいな状況になっていた。ホーム画面に配置したウィジェットで各種機能をコントロールできるアプリもあるが、ホーム画面の少なくとも一部を占有してしまうのが問題だ。でもタイルなら、好きな機能だけを好きな場所に配置できるので、通知パネルやホーム画面が不必要に“賑やか”にならないのがメリット。ぜひみなさんもこだわりのクイック設定タイルを作り上げてみては?