2013年10月23日 12時00分更新
文● 山根康宏 編集●ジャイアン鈴木
なにかとお騒がせな隣にある将軍様の国。政治的な話はここではしませんが、産業振興ということでITにも力を入れているようで、この夏にはなんと自国でスマートフォンを開発したとのこと。
実は中国製だった!? |
そのニュースが世界中を駆け巡るや否や、中国のネットで「いやアレはどう見ても中国製じゃないのか」という声が上がり、調べてみるとUniscope(優思)というメーカーの『優思U1201』と“クリソツ”であることが判明。結局はその『優思U1201』のロゴやファームを変えたものを自国製として発表したらしいのです。ってことで作っているのは中国のUniscopeなんですね。
ということでオリジナル品を入手 |
北の国へ行くのは大変ですし、ましてやスマートフォンを買うなんておそらく無理。でも中国で作っているってのなら入手できるかもしれません。ま、そうは言ってもそんな国への輸出品が出回ってくることはないでしょうから、ここは割り切ってオリジナル製品である『優思U1201』を買ってみました。値段は1万円ちょっと。
中身はかなりちゃんとしているっぽい |
パッケージを開けてみると、端末はメーカー名の入った袋に入っていますし、バッテリーやケーブルもちゃんと袋入り。マニュアルも付属しているので安心です。
あらやだ結構かっこいいじゃん! |
袋から本体を取り出してみると、意外なことに本体のデザインは結構いいんじゃないでしょうか。プラスチック製のボディーは値段相応ですが安っぽさはあまり感じられません。こんなものがあの国で売られていたら思わず買っちゃうかも? ディスプレーは4.3インチで、解像度は540×960ドットです。
背面のデザインも凝ってるねえ |
カメラ周りのデザインもちょっと考えている感じです。本体のサイズは130.5×64.2×9.9ミリ、重量は117.8グラム。
やっぱり一癖ある製品だったか |
デュアルSIMスロット装備でW-CDMAとGSMの両方式に対応しており、同時待ち受けも可能です。ですがよく見るとシールで貼られているIMEI番号はひとつだけ。デュアルSIM仕様ならそれぞれのSIMごとにIMEI番号を持つはずなのですが、ひとつしかないってことは無認可端末=山寨機と同じで、これは正規に流通してはいけない製品なのかも。
ごくフツーにAndroidスマホです |
起動後は特に変わった機能があるわけでもなく、素のAndroid端末として使えます。ホーム画面が一昔前のHTCっぽいですが、まぁ類似のデザインを採用する中国スマートフォンもいまでは多いので特に気になるものでもありません。
独自アプリストアが自動インストール? |
中国スマートフォンなのでGoogle PlayなどGoogleサービスは非搭載。アプリをどうやって入れるのかな、と思ったら、何かのタイミングで勝手にファイルがダウンロードされるじゃないですか。どうやらこれが独自のアプリストアのファイルのようで、インストールすると“App Search”というアプリが入りました。ここからある程度のアプリを入れることができるようです。
カメラもまともに使えます |
これといって特徴はない『優思U1201』ですが、カメラは800万画素で細かい設定も可能。最近の中国スマートフォンは値段が安いからといってカメラがしょぼいなんてことはないんですね。
マクロもここまで撮影できた |
マクロはあまり近くまで寄れないものの、指先サイズのミニカーもここまで撮影できれば十分ではないでしょうか。普通にWebを見たりメールチェックしたりつぶやいたりするくらいなら十分使い物になりそう。
ベンチマークはやはり散々な結果に |
CPUはデュアルコア1.2GHzとのことですが、『AnTuTu Benchmark』でベンチマークを取ってみたところGALAXY S2にも劣る結果に。まぁ総合力を見るとグラフィック性能なども弱いのでしょう。ま、バリバリ使いまくる端末じゃないですし、このあたりはまさしく価格相応でしょう。
ロケール変更はすんなりいかず |
せっかくなので『MoreLocale 2』を入れてハングル表示にして、現地端末っぽくしてみようと思ったのですが、そのままではロケールの変更がうまくいきません。海外版GALAXY S4の日本語化などと同様の手を加える必要があるようです。
使っているうちに愛着がわいてきちゃった |
中国では今や数百機種以上のスマートフォンが販売されていますが、似たり寄ったりのデザインの製品が多いのが事実です。この『優思U1201』は本体下部に段差をつけたり、カメラ周りのデザインに凝るなど見た目での差別化をきちんと考えており、使っているうちにだんだんと愛着がわいてきました。“将軍様の国”の本物を買うのはかなり難しいと思いますが、もしも入手できたら記念品ではなく普段使いの2台目として実用しちゃうかもしれません。
山根康宏さんのオフィシャルサイト 香港携帯情報局
この記事をシェアしよう週刊アスキーの最新情報を購読しよう
カテゴリートップへ