最新スペックの据え置きルーター「L01」
UQコミュニケーションズ(以下「UQ」)の「WiMAX 2+」に対応するルーターには、バッテリーを内蔵した「モバイルタイプ」と、バッテリーを内蔵せずコンセントからの常時給電で稼働する「据え置きタイプ」の大きく2種類があります。
普段、5分で知る最近のモバイルデータ通信事情では名前通りモバイルタイプのルーターを中心に取り上げていますが、今回は据え置きタイプの最新モデル「Speed Wi-Fi HOME L01」に注目してみました。
今回紹介する「Speed Wi-Fi HOME L01」(Huawei製)L01の前から、UQはWiMAX 2+対応の据え置きルーターを発売してきました。しかし、モバイルルーターよりも発売が遅かったり、「キャリアアグリゲーション(CA)」「4×4 MIMO」といった新しい高速化技術への対応が遅れたりと、若干不遇な扱いを受けていました。例えば、下り220Mbps対応ルーターの発売時期を見てみると、モバイルタイプが2015年12月だったのに対し、据え置きタイプは2016年10月でした。
しかし、L01はモバイルルーターとほぼ同じ時期に「下り最大440Mbps」「上り最大30Mbps」という最新仕様に対応して発売されました。さらに、据え置きタイプとしては初めて「au 4G LTE」に対応し、WiMAX 2+エリア外でもデータ通信できるようになりました。ただし、4G LTEに対応する「ハイスピードプラスエリアモード」で月間7GB以上の通信をすると、WiMAX 2+単独の「ハイスピードモード」を含めて通信速度制限(上下最大128kbps)の対象となるので注意しましょう。
L01は据え置きタイプのWiMAX 2+ルーターとして初めて「au 4G LTE」に対応。より広いエリアで通信できるようになったモバイルタイプの最新モデルと比較
ここで、同世代のモバイルルーター「Speed Wi-Fi NEXT W04」「Speed Wi-Fi NEXT WX03」(以下それぞれ「W04」「WX03」)とL01の主なスペックを比較してみましょう。
機種名 | L01 | W04 | WX03 |
---|---|---|---|
形態 | 据え置き | モバイル | モバイル |
最大通信速度(ハイスピード) | 下り:440Mbps上り:30Mbps | 下り:558Mbps上り:30Mbps | 下り:440Mbps上り:30Mbps |
最大通信速度(ハイスピードプラスエリア) | 下り最大:370Mbps上り最大:37.5Mbps | 下り最大:590Mbps上り最大:37.5Mbps | 非対応 |
最大接続台数(ワイヤレス) | Wi-Fi:40台(※) | Wi-Fi:10台Bluetooth:3台 | Wi-Fi:10台Bluetooth:3台 |
クレードル | なし | あり(別売) | あり(別売) |
※ 5GHz帯と2.4GHz帯で各20台ずつ接続可能 |
上の表を見ると、L01はモバイルルーターと比べて仕様面で特に優れている、という訳ではありません。むしろ、下りの最大通信速度に関しては、ソフトウェア更新適用後のW04の方が勝ります。
Speed Wi-Fi NEXT W04は、ソフトウェアを更新するとハイスピードプラスエリアモード(4G LTE+WiMAX 2+のCA)で下り通信速度が最大590Mbpsになる果たして、L01よりもW04の方が“スペック通り”高速に通信できるのでしょうか。筆者は両機種を用意して実測してみました。PCから「Sppedtest.net」に接続し、3回測った平均値を以下に載せます。ルーターの置く位置は窓際固定です。
機種 | L01 | W04 |
---|---|---|
PING(応答速度:ミリ秒) | 46.67 | 54.67 |
下り(Mbps) | 41.66 | 33.57 |
上り(Mbps) | 11.7 | 9.0 |
3回の計測結果の平均値を掲載(小数第3位を四捨五入) |
機種 | L01 | W04 |
---|---|---|
PING(応答速度:ミリ秒) | 41.33 | 44.33 |
下り(Mbps) | 102.17 | 29.48 |
上り(Mbps) | 16.38 | 9.74 |
3回の計測結果の平均値を掲載(小数第3位を四捨五入) |
表を見れば一目瞭然ですが、下り・上りともにL01の方が高速です。特に、au 4G LTEを併用するハイスピードプラスエリアモードでの下り速度の差は顕著です。一方で、WiMAX 2+単独のハイスピードモードではそこまで大きな差は出ませんでした。