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見どころが多い富士通のWindows 11搭載PC、注目モデルの筆頭は13.3型ノート「Zero」と14型ノート「MH」

新製品は10月7日から順次発売。Web販売のカスタムメイドモデル8シリーズ20機種についても、富士通ショッピングサイト「WEB MART」を通じて10月5日から受注を開始している。

FCCLの齋藤邦彰会長は、今回の新製品について「6年ぶりの大型アップデートとなったWindows 11は、デザインが大きく刷新されている。今回の新製品のすべてにWindows 11を搭載し、幅広いラインナップからお客さまの暮らしにあった1台を選んでもらえる」と発言。

続いてFCCLの大隈健史社長は、「新たなWindows 11の搭載とともに、お客さまの幅広い要望に応えるべくFMVをアップデートした。テーマは『人を想うFMVは、暮らしで選べる』。ハードウェアにはこれからも投資をして進化させていくが、コロナ禍におけるライフスタイルの変化に合わせて、今回はハードだけでなくアプリとサービスにも力を注いだ。総合力を生かして、新たな感性に向けたチャレンジも行っていく。新たな暮らしに合わせて進化させた新製品を、量販店などで直接見てほしい」と述べた。

13.3型ノートPC「Zero」に注目

今回の新モデル群で注目の1台は「FMV Zero LIFEBOOK WU4/F3」だ。世界最軽量ノートPC「LIFEBOOK UHシリーズ」のハイリテラシーユーザー向けモデルと位置づけられるもので、同シリーズの使い心地はそのままに、シンプルであることを極めたという。

「2021年4月に社長に就任して以降、気になったのが、スターバックスなどのカフェでFMVを使っている人が少ないこと。この状況を変えたいと考えた。LIFEBOOKにはCHとUHという個性的な2台のPCがあるが、CHが若い人たちにも受け入れられたことで、UHは本物志向やプロマインドの高いユーザー向けにシフトできると考えた。PCリテラシーが高く、道具としての機能価値やミニマルなデザインを好むユーザーを対象にした。ビジネスユーザーだけでなく、ライフスタイルに合理性を求めるZ世代の感性にも応えるポテンシャルがあると考えている」(大隈社長)

FMV Zero LIFEBOOK WU4/F3は、PCの原点に戻り、道具としての機能価値やミニマルなデザインを突き詰め、アプリケーションもゼロベースで積み上げた新モデルと位置づける。UHシリーズの派生モデルであり、後継モデルではない。

キーボードにはカナ無し印字を採用し、バックライトを搭載。キーボードの印字シルクを黒文字化して、全体としてムダのないシンプルなデザインに仕上げた。また、プリインストールソフトをハイリテラシーユーザー向けに厳選し、最低限のものに留めている。販売ルートは直販サイトのWEB MART限定だが、販売台数は限定していない。

「Zeroの名称は、PCの原点に返るという意味でのZero、道具としての機能価値やミニマルなデザインを突き詰めて、アプリケーションを含めてゼロベースで作り上げる意味でのZeroから来ている。カフェで利用しているような人たちに、FMV Zeroを選んでほしいという思いと、私自身、一番欲しいものを作るという思いで、開発チームにお願いして商品化してもらった。万人向けのパソコンではない。私自身が本当に作りたいものを作った。従来のFMVではやらなかった新たなセグメントのお客さまにチャレンジする1台だ。意欲作であり、自信作。これからもこのような新たなセグメントに挑戦していきたい」(大隈社長)と意気込みを語った。

14型ノートPC「MHシリーズ」も見どころ多い

一方で、「家族みんなにちょうどいい」をコンセプトに開発したのが、14型ノートPC「MHシリーズ」。大隈社長は、「コロナ禍の新たなオンライン生活に合わせて、2台目、3台目のPCを購入するユーザーが増えている。家の中を持ち運べるちょうどいいサイズ感、若い人のプライベートPCとして、親子で楽しむ、みんなのPCとして、幅広く使ってもらえるノートPC」とする。

続けて「モバイル性が高い13.3型、据え置きで利用する15.6型の隙間を埋める製品。追加で購入してもらえるPCであり、購入しやすい価格、サイズ感など、バランスが取れたモデル」(大隈社長)と位置づけ、テレワークやオンライン教育にも対応できるほか、高性能CPUと内蔵グラフィックスによって負荷の高い作業や動画視聴なども快適であることを強調した。

「14型のMHシリーズでは、キーボードに2段階の押下圧を設定し、快適な押し心地を実現した。高レスポンスキーボード技術で打鍵ミスが少なく、長文レポートを打って疲れない完成度を目指した。本体は高級感ある金属調の蒸着ブラック仕上げとし、表面はマット調のサラっとした手触りにした。家族が気持ちよく使えることに配慮している」(大隈社長)

AIノイズキャンセリング付きのサウンド機能

MHシリーズをはじめとする新製品の全機種で、オンラインミーティングなどで音声がクリアに聞こえる「AIノイズキャンセリング」機能を搭載。FCCLが独自に開発したものだという。タイピング音や環境音をカットしたいときには周囲のノイズを取り除く動作で、家族の声や周囲の声を拾いたくない場合は、ノイズカットをした上でマイクから左右30度の範囲の声だけを拾い、自分の声だけをクリアに届ける。

見どころが多い富士通のWindows 11搭載PC、注目モデルの筆頭は13.3型ノート「Zero」と14型ノート「MH」

「ユーザーの困りごとで最も多いのが音に関するものだった。オンライン会議中に、家族の声やクルマが通る音が気になる人が多い。独自開発のAIノイズキャンセリングは遜色がないものができた。ぜひ試してほしい」(大隈社長)

開発にあたっては、ノイズのない音声サンプルと、音声にノイズを重ねたサンプルを用意。数億もの音声サンプルデータから、AIノイズキャンセリングに必要なデータを作り出して実装。従来のノイズキャンセリングでは減らし切れなかったキータッチやマウスのクリック音、自動車や電車の音、ペットやカラスの鳴き声、赤ちゃんの泣き声や生活音のノイズも低減できるとのこと。

また、スピーカーのノイズキャンセリング機能によって、オンライン通話アプリを利用時には、通話相手からのノイズをカットして相手の声をクリアにする。ちなみに、インテルCPU搭載モデルについては、AI推論のアシスト処理においてGNAを活用。CPUへの負荷を抑えて、AIノイズキャンセリングを実現しているという。

同じく新機能となるスマホカメラ転送機能では、手持ちのスマホをPCのWebカメラとして利用。高画質なスマホのカメラによって、オンラインコミュニケーションをより便利に、楽しくできる。QRコードだけで簡単に接続でき、iPhoneおよびAndroidの両方に対応する。

そのほか、テレビ番組のリアルタイム視聴や、録画した番組の視聴、録画番組のPCへのダウンロードなどを可能にしたTV視聴アプリを提供(別途、DLNA対応のテレビかレコーダーが必要)。声で遊べるゲーム「ふくまろゲームランド」も全機種にプリインストールし、オンラインゲームを充実さる。シグナルトークが提供するオンライン麻雀「Maru-Jan」を、月額料金のポイントでプレイできるようにするなども発表した。

PC操作や活用方法などを電話とリモートサポートでレッスンする「FMVまなびナビ ワンポイントレッスン」も提供する。ワンポイントレッスンでは、Windowsの基本操作に加えて、WordやExcelといったマイクロソフトのOfficeアプリの使い方、SNSの使い方、動画編集や年賀状の作成など、幅広い内容の相談をサポート。月3回の相談が可能なコースは月額550円。無制限コースは月額990円だ。

10月5日~11月2日のオープニングキャンペーン期間中に無制限コースへ加入すると、月額880円で利用できる。キャンペーン期間中に無制限コースに加入し、3カ月間継続利用すると、1,000円キャッシュバックされる。

「FMVはお客さまの要望と困りごとを解決することで進化してきた。コロナ禍ではこれまで以上にPCおw活用した人が増え、オンライン生活において幅広い意見をもらうことができた。PCの使い方をオンラインで教えてほしいというビギナーから、もっとシンプルな仕様が欲しいというエキスパートの意見もある。オンラインで趣味を楽しみたい、オンライン会議で困っているという問い合わせもあった。こうした声に応えるべく、新たな機種の提供と、使いやすいUI、やさしいサービスのすべてを進化させた。豊富なラインナップによって、ニューノーマルで多様化するお客さまのライフスタイルに最適な1台を提供する。これからも人に寄り添い、人の環境変化にも対応し、技術そのものを使いやすくして、富士通のPCを提供していく」(齋藤会長)

Windows 11に関する戦略

「2021年内はWindows 10とWindows 11を選べる環境。いま販売している主要モデルはWindows 11へのアップグレードが可能になっている。ユーザーに対しては、通常の電話サポート窓口に加えて、パソコン乗り換えなんでも相談室を用意。Windows 11に関する購入前後のあらゆる相談に対応する」(大隈社長)

「Windows 11へのアップグレード要件を満たさない機種を持つユーザーも多いとみられる。アップグレードできるかどうかを確認してもらい、対象でないということであれば、これを機会にFCCLのWindows 11搭載PCや、アップグレードが可能なパソコンへの移行を検討していただけるとありがたい」(大隈社長)

10月5日はWindows 11の正式リリース日だったが、日本マイクロソフトが会見を行わなかったこと、PCメーカーとしてはFCCLだけが新製品の発表会見を行ったことについて、齋藤会長は以下のように述べる。

「PCの使い方やユーザー体験が大きく改善され、お客さまに提供する機能が進化している。こうしたタイミングできちんと発表し、お客さまにしっかりと伝えることが大切だと思っている。そのため、Windows 11の正式リリース日に記者会見をする形を取った。1社だけの記者会見だったかもしれないが、こうしたFCCLの取り組みを通じて、PC業界全体が活性化することを期待している」(齋藤会長)

記者会見にメッセージを送った米Microsoft デバイスパートナーセールス コーポレートバイスプレジデントのNicole Dezen氏は、「FCCLは最新のWindows 11とOffice 2021を存分に体験してもらえるように新製品を開発してきた。特にMHシリーズは、Windows 11が提供する新たな機能を輝かせるPCだと考えている。これからも一緒に盛り上げたい」と述べた。

富士通のPC、40周年の続報

1981年5月、富士通がパソコン第1号となるFM-8を発売してから、2021年で40周年の節目を迎えており、FCCLはそれを記念した「FUJITSU PC 40th Anniversary」を実施している。今回、新たにピンバッジが完成したことを報告。FM-8、FM TOWNS、LIFEBOOK UH、ふくまろという4種類の絵柄を用意しており、FCCLの本社にはガチャマシンが設置されているという。

40周年記念の第1弾となった「LIFEBOOK UH Keyboard」クラウドファンディングの進捗についても説明。当初の目標金額(500万円)に対して1,200%になったこと、3色のカラー展開において全色が目標の1,000台を達成したという。

齋藤会長は「10月4日に全色達成の報告があった。お礼を述べたい。よい商品を完成させ、スケジュール通りにお届けしたい。その後は店頭やウェブでの販売も積極的に検討したい。さらに、電子ペーパーやモニターについても要望を聞きながら見極めたい」とした。40周年記念モデルについては、「鋭意、開発中。ぜひ期待してほしい」(齋藤会長)と語った。

なお、FCCLの記者会見で恒例となっている齋藤会長による歴代パソコンの紹介では、2010年1月に発表したLOOX Uについて紹介。「11年前の会見では『私に注目してください』と言って、内ポケットからLOOX Uを取り出した」と切り出し、そのセリフとシーンを再現。内ポケットから赤いLOOX Uを取り出してみせた。

「LOOX U当時の世界最小、最軽量のPCであり、初めて設計要項に『スーツのポケットの幅』という要件が入った。どんなスーツのポケットにも入ることを目指して開発した。また、持ち運ぶにはペットボトルより軽くないといけないということで、500gを切ることを目指した。しかもタッチパネル操作ができる。いつでもどこでもコンピューティングができる製品であり、このコンセプトはいまでもしっかりと引き継がれている。たとえば、FCNTのスマホであるarrows 5Gもそれにあたる。富士通のPCがチャレンジしつづける姿勢は、これからも変わらない。大いに期待してほしい」(齋藤会長)