猛威を振るった新型コロナウイルスもようやく沈静化の兆しを見せたり新たな変異株が登場したりと気が静まらない事態が継続している。そのような中でテレワークが導入された会社、されなかった会社、一時はテレワークになったものの沈静化で元に戻った会社、さまざまだろう。
だが、自身がテレワークであるか否かに関わらず、多くの企業で取引先とのビデオ会議は当たり前になったのではないだろうか。そんなときに重宝するのがWebカメラ内蔵のノートPCだ。
以前からカメラを内蔵したノートPCは多かったものの、リモート会議が一般化するまで内蔵カメラはあまり活用されてこなかった。そのため、内蔵カメラの画質はカメラ単体ではなく、リモート会議を通して認識することが多い。そして、ネットワークが遅いから画質が悪いのは仕方ない、というように画質の悪さを許容してしまっているように感じる。
最初の緊急事態宣言が発令された直後から、秋葉原や家電量販店の店頭でWebカメラの売り切れが続いていたのも記憶に新しい。けれども、もしかしたら画質を下げているのはネットワークではなく、カメラそのものなのかもしれない。
シスコシステムズの4K対応カメラ「Webex Desk Camera」。ノートPC内蔵のカメラとは天と地も違う映像を実現するビデオ会議での新たな常識
そういえば、オフィスで個人用のデスクトップPCを見る機会もずいぶん少なくなった。
電子情報技術産業協会の2021年度のデータによると、2021年度上半期のPC国内出荷実績は第2四半期までの累計でノートPCが84%を占めているが、それも当然のことだろう。PCを携えて取引先訪問から始まり、フリーアドレス、サテライトオフィス、そして在宅ワークと、「新しい働き方」はほとんどがノートPCを前提としたものとなっている。
そして、それら多くのノートPCに内蔵されているカメラとマイクによって、ビデオ会議はリモートワーク以上に、我々のビジネスに非常にスムーズに導入された。インターネットさえ使える環境であれば、周辺機器を別途購入することなく相手の顔を見ながら(自分の顔を見せながら)会議が行える。
Microsoft TeamsやGoogle Meet、Webex、Zoomなど、オフィススイートに付属していたり、一定の制限のもと無料で利用できたりするビデオ会議サービスも多い。
仕事だけでなく、リモート飲み会など公私を問わずビデオ会議が一般的に使われるようになったその一方で、これだけ使用されておきながら、PC内蔵カメラの性能はなかなか上がってきていないのが現状だ。簡単に始められるというメリットはあるものの、PC内蔵カメラの性能が上がらない限りはこのまま低画質でのリモート会議が続くことになる。
また、オフィスで直接顔を合わせていたときには容姿に気を遣っていた人が、リモート会議になるとカメラをオフにすることで誤魔化すようになったという話もよく耳にする。確かに、カメラオンを強制することがハラスメントになるのではないか、という声もあるが、だからこそ、自分からカメラをオンにする人の印象は強くなる。
しかし、ビデオ会議では直接対面するときと同じように、身だしなみを整えるだけでは十分とはいえないかもしれない。例えば履歴書に貼られた写真が暗く、陰気そうに写っていれば「なんだか暗そうな人だな」という第一印象を持たれてしまう。だからこそ以下のような「明るく、良い印象を与える履歴書写真のコツ」といったものが知られている。
ところが、リモート会議に関してはあまりそういったノウハウや注意点を聞かない。採用面接や営業活動では、少しでも印象を良くするために写真同様の気を遣うべきであるにもかかわらず、だ。
その理由の1つは、これらのノウハウがPC内蔵カメラでは実現できない場合が多いからかもしれない。PC内蔵カメラは本体のみでリモート会議を始められることが唯一かつ最大のメリットだ。それ以上のことを求めるのであれば外付けWebカメラは必須と言える。
最近のノートPCでは物理的にカメラを覆うシャッターを備えたモデルが増えているここまで述べてきたことを既に気がついて、デジタルカメラやビデオカメラ、ミラーレス一眼カメラをPCに接続している人もいるにはいるが、手間と知識が必要になるため普及はまだまだだ。
その一方で、もっと手軽に高画質を得たいというニーズはコンシューマー用途だけではなくビジネス用途でも増えており、今回取り上げるシスコシステムズの「Webex Desk Camera」(以下、Webex Camera)は4K(3860×2160/4096×2160ピクセル/30fps)での撮影に対応したWebカメラだ。このWebex Cameraを例に取り、一般的なPC内蔵カメラと外付けWebカメラの違いを見ていくことにしよう。
PC内蔵カメラとは桁違い