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CrowPi2レビュー:ラップトップの代わりになるとは言わないけれど、子供向けプログラミング学習ツールとしては最強

いまの時代の子供たちの反応はー?

マインクラフトからPythonまで、学びながら遊べそうな機能が詰まったRaspberry Pi搭載のラップトップ「CrowPi2」を米Gizmodoがレビューしています。

実際に子供たちがどんな反応をするのか期待していたら、ちょっと予想とは反する方向に行ってしまったようです。どれくらいの年代の子供が楽しめるデバイスなのかも含め、レビューをどうぞ。


我が家の子供たちはラップトップ が大好き。特に、マインクラフトやYouTubeには何時間も費やしがちです。そんな彼らは、もっといろいろな遊びや学びができる「CrowPi2」にも興味を持つのでしょうか?

CrowPi2とは

CrowPi2は最新のオープンソースのシングルボード教育用コンピューターであるRaspberry Pi 4 Model B搭載で、付属のアクセサリ(ジョイスティック、キーボード、ワイヤレスマウス、IRリモートコントロール)のほか、11インチの1,080p画面、2メガピクセルカメラを採用しています。

今回テストしたモデルには、パワフルなRaspberry Pi OSであるRaspbianがプリロードされていて、シンプルで使いやすいデスクトップOSになっています。

OSには、シンプルなプログラミングができるScratch、コーディング実験ができるPython IDE、より詳細なデバイスコーディングができるArduino IDEも含まれています。また、小型コンピューター用のマインクラフトのスリムバージョンであるMinecraft Piのほか、Chromium Webブラウザも利用できます。

Raspberry Piはラップトップの左下隅のスロットに配置されていて、ケース自体はほとんど中空なのも特徴。バッテリーはなく、側面のプラグで電源のオンオフが管理できます。USBポート、マイクロUSBポート、ヘッドフォンジャックもあります。キーボードは(上の画像のように)取り外し可能になっています。

Elecrow CrowPi2

これは何?:子供たちがコーディングを学べる、Raspberry Pi搭載ラップトップ。

いくら?:270ドル(約2万8000円)。今回テストしたのは450ドル(約4万8000円)。

好きなところ:22-in-1のエレクトロニクスキットが素晴らしい。子供たちがコーディングを学ぶうえで超直感的なソフトウェア。

好きじゃないところ:Raspberry Piを使うだけならば、ほかのコンピュータでもっと安価でゲットできる。小さな子供には高度すぎるかも。

CrowPi2レビュー:ラップトップの代わりになるとは言わないけれど、子供向けプログラミング学習ツールとしては最強

子供たちの反応は?

CrowPi2ソフトウェアを操作するには、2つの方法があります。デフォルトはシンプルなキオスクモードで、ラップトップのさまざまな機能を試したり学んだりすることができます。このモードを閉じると、オペレーティングシステム自体にアクセスしたり、ターミナルを開いたりできるほか、VimやEmacsなどのエディターを使用してコーディングもできるようになっています。

うちの8歳の子供は、キオスクモードですぐマインクラフトを見つけ出し、Scratchでもいくつかのゲームで遊んでいました。年上の息子はラップトップをチラッとだけ見て、いつものゲーム用PCのほうに戻っていきました。もうちょっとCrowPi2を試してほしかったので、声をかけたら2人とも渋々チュートリアルをいくつかやってくれました。

そもそも、対象年齢って...

今回実際に子供に使ってもらってわかったのが、8歳の子供がプログラミングを始めるのはなんとも望ましい一方で、現実はもう少し"大人"な10代の子たちに向いているデバイスなようです。

Scratchは小学生レベルに合っていて、キオスクモードでも中心に配置されているのがわかります。その一方で、より複雑な機能のほとんどは、PythonやArduino独自のスクリプト言語でプログラムできるような、もう少し年上の子たちに向いています。

たとえばキットには、RFIDチップを含む段ボールのカットアウト(以下の動画参照)が付属されているのですが、これらをRFIDリーダーに移動するとマインクラフトで家やTNTを自動的に構築することができるようになっています。こういう遊び体験ができるのは、若いマインクラフターたちにとっても楽しいはずですが、12歳未満の子供たちは一人じゃできないかなという所感です。一体何の話をしているのかというと...以下の動画がわかりやすいです。

22-in-1のキットについて

キットには、22種類のコンポーネントがうまく配置されていて、ティルトセンサー、超音波距離センサー、さらにはLCDやLED表示器(下の動画参照)も備えています。RFIDドングル付属で、ワイヤレスでプログラムすることもできますし、顔認識用のAIベースのカメラAPIもサポートしています。

ボードはRaspberry Piとシームレスに連携するので、こうしたコントロールへのアクセスはOS上のほぼすべてのパートから可能になっています。LED表示器はRaspberry Piでのアクティブなピンを示し、スイッチングリレーを使用して高電圧システムを制御することもできます。全体的に、22-in-1のキットは盛り沢山でかなりパワフルなパッケージとなっているのがわかります。

文字通り、いろいろなことができる!

システムにはチュートリアルが多数含まれているので、簡単〜複雑なコード例まで、段階的に実行できるようになっています。

8歳と14歳の子供にLCDスクリーンで(わたしのアシストなしで)何かできないかと聞いてみたら、数分後にはチュートリアルを実行してマシンに「あなたは本当にクサイ」と言わせていました….。悲しきかな、下の画像がその証拠です。

まだまだあります。Raspberry Piを実行するということは、ビデオゲームエミュレーター、ロボットコントローラー、さらにはビットコインなどの暗号通貨を読み込むことだって簡単にできちゃいます。

実際のラップトップとしても機能するため、無料のマイクロソフトオフィスのクローンであるLibreOfficeを使用すればWebページにアクセスすることも可能です。Raspberry Piはかなりパワフルで、システム全体がかなりうまく機能するようにできているのには感心しっぱなしです。

どんな人に向いているデバイス?

Raspberry Piを搭載したラップトップとして考えると、450ドルはかなり安価です。さらに、このシステムに含まれるすべての機能は、Adafruitなどのサイトから個別のコンポーネントとして利用することもできます。

一方で、子供向けのシステムとしては非常に複雑です。子供の年代や扱い方によっては、簡単に壊れやすいものでもあります。

そのうえでなお、子供にプログラミングを教えるならば、あるいは高度な電子機器を使ってLinuxに慣れ親しんでもらうならば、これ以上にふさわしいものはないと言えるかもしれません。

システムは、ディープコーディングにある程度の関心を示している10〜15歳までの子供を対象としています。最終的にはより複雑なシステムに移行することを見据えても、最初に使うデバイスとして役立つはずです。

知育玩具にはいろいろありますが、どうもテクノロジーと学習ニーズがうまく擦り合わされたものはなかなか見つからないので、じつは普段はあまり人に勧めていません。が、ElecrowのCrowPi2に関しては例外で、機能、使いやすさ、そして教育用ソフトウェアが詰まったコンパクトな学習用コンピュータとして、間違いなく綿密に作り込まれています。

メモ

・CrowPi2は、子供向けのクレバーなラップトップ

・パワフルなRaspberry Piラップトップとして多機能

・22-in-1エレクトロニクスキット搭載

・Doomも遊べる