米Dellは15日(現地時間)、PCをより便利にするコンセプト製品を発表した。製品は3つあり、Wi-Fi 6 Eに対応したワイヤレスドックとなる「Concept Flow」、ディスプレイに吸着させて利用する「Concept Pari」、さらにノートPCのセカンドディスプレイとしてワイヤレスに使える「Concept Stanza」。いずれもハイブリッドワークにおけるノートPCユーザーの利便性を向上させる製品となる。
Dellは毎年、年初に行われるCESのタイミングで新製品やコンセプト製品などを発表することが多い。しかし、今年【2021年)はコンセプトモデルを年末に合わせていくつか発表しており、本日発表されたのは、「ハイブリッドワーク」に向けた製品となる。
新型コロナにより引き起こされたパンデミックで、多くのビジネスパーソンがリモートワークを強いられ、その後はリモートワークと出社しての働き方、それぞれ時と場合に合わせてどちらかを選択していく働き方を行うというハイブリッドワークが一般的になりつつある。同時にハイブリッドワークでの働き方においてノートPCの重要性が高まっている。
そうした中で、より性能が高いノートPCや、使い勝手の良いノートPC、ドッキングステーションのような生産性を向上させる周辺機器にも注目が集まっている。
今回Dellが発表したのはConcept Flow、Concept Pari、Concept Stanzaという3つのコンセプト製品で、いずれもハイブリッドワーク下で、ノートPCの利便性をあげることに注力した製品となる。
Concept Flowは非常に単純に言えば、Wi-Fi 6 Eを無線として利用したワイヤレスドッキングステーションとなる。現在ノートPCのドッキングステーションというと、Thunderbolt 4やUSB 3.2などの有線で接続するドッキングステーションが一般的だ。
有線には同時に電力も供給できるというメリットもあるため便利なのだが、例えば会議室に置いてあるディスプレイに無線で接続したいなどのニーズには不便であることも事実だ。そこで、Concept FlowではWi-Fi 6 Eを利用して、ディスプレイなどにシームレスに接続するユーザー体験を実現する。
会議室に置いてある大型のディスプレイや、フリーアドレスのオフィスに置いてあるディスプレイがConcept Flowに対応していれば、ユーザーはそこにいって席に近づくだけでディスプレイやマウスなどを利用することが可能になる。
Concept Flow(写真提供:Dell)ハイブリッドワーク時代に欠かせないのは、ビデオ会議であることは論を待たないだろう。Zoomにせよ、Teamsにせよ、そうしたビデオ会議ツールを利用してビデオ会議を行なうことはもはや一般的になっている。
ビデオ会議で気になるのが、実はWebカメラの位置だ。例えばノートPCの内蔵Webカムでビデオ会議をやろうとするとどうしても見上げる感じになってしまう。
そこで、Concept Pariでは、Wi-Fi接続のカメラ部分をディスプレイに直接貼りつける形で利用する。これにより、ビデオ会議の画面を見ながら、自分はカメラ目線で話せるようになる。台座となる充電ステーションをディスプレイの上に置き、そこにカメラを設置して、従来のWebカメラのようにも使えし、手で持って手元の資料を見せたりもできる。カメラの重量はわずか30gで、1080pのビデオをPCへ転送できる。
Concept Pariではディスプレイのちょうど良い場所にカメラを置くことができる(写真提供:Dell)Concept Stanzaはペンが使えるスレート型のタブレットとなっており、手書きでメモを取る用途に特化している。PC専用のコンパニオンとしてノート用途専用に設計されているので、カメラやスピーカーといった単体タブレットに必要な要素は搭載していないという割り切りぶり。
Concept Stanza(写真提供:Dell)Dellによれば、今回のコンセプト製品は、あくまでコンセプトデザインで、実際に販売される予定はないという。ユーザーの反応などを見極めつつ、将来そのコンセプトを生かした製品を開発していきたいとのことだ。