iPhoneはスマートフォンであり小さなコンピュータとしての機能を持つが、携帯電話としての役割もある。近ごろはSNSなどテキスト/画像の情報を主体とするサービスが人気とはいえ、音声通話を電話番号を目印にいつでも開始できるという組み合わせはわかりやすく、普遍的なものだ。
しかし、Appleはそこに利便性を付加する試みも忘れない。「連絡先」に登録済の電話番号であれば相手の名前を表示する、応答できないときは(SMS/iMessageで)テキストデータを送信する、近くにMacがあるときはMacのアプリを使い応答できるようにする……いずれも旧来の電話機/携帯電話では実現されなかった機能で、iOSというソフトウェアによる進化だ。
そのiOSもバージョンが11となり、そろそろ電話関連の機能追加も落ち着いたかと思いきや、その手があったかと感心させられる新機能が用意されていた。iOS 11では、まったく手を使うことなく着信に応答することができるのだ。アクセシビリティ関連機能として実装されてはいるが、ハンズフリー通話の一形態であり、使いかた次第では誰でも便利に使える。
手順はかんたん。初期設定では無効化されているので、『設定』のアクセシビリティ画面から「通話オーディオルーティング」を選択し、「自動で電話に出る」スイッチをオンにしよう。自動で電話に出るまでの時間は1~60秒の範囲(初期値は3秒)で設定できるので、自分が使いやすいよう調整すればいい。手が離せない状況、たとえばBluetooth非対応のカーナビを搭載したクルマでドライブ中のときなど、重宝するに違いない。
ただし、こちらから通話を終えるときには画面をタップしなければならない。『設定』の深い階層にスイッチがあるため、機能のオン/オフを切り替える操作に手間どるという難点もある。ニーズに応じて活用しよう。