2020年10月30日に単行本第一巻が刊行された斎創さん(@saiso_)のマンガ『うちの会社の小さい先輩の話』(バンブー・コミックス)。Twitterで公開された『カップルインタビューの話』では、小さいかわいい片瀬詩織里先輩と、後輩男子社員の篠崎くんがふたりで歩いているところ、街頭インタビューに出くわして……というストーリーになります。
※参考記事 「やり返されてかわいい」「二組ともさっさとくっつけ!」 ランチに行く主任&デザイナー女子を冷やかす先輩女子マンガがヤブヘビだったhttps://otajo.jp/93296
「突撃!隣のカップルさん!」と女子リポーターからマイクを向けられて、きょとんとする片瀬先輩と篠崎くん。「僕/私はカップルじゃないですが…」とハモると、ズコッとして「行きかう人に声をかけるもまさかの空振り十連投…。なぜ私はカップルを引き当てられないのか…」とorz状態になってしまいます。
気を取り直したリポーターに「ところでお二人の関係は?」と聞かれて「会社の同僚です」と答える片瀬先輩。地方局の番組制作で恋人インタビュー企画をやっているというリポーターは、名刺を持ち出しつつ真顔で「今ここで恋人同士になったりしませんか?」と言い出し、「しません!!」と叫ぶことに。それでも「何でですか!?付き合ってくださいよ!!」と篠崎くんに泣きつき、「っちょ!周りが誤解しますから!!」と困惑するのを聞かずに「ローカル放送で視聴率もほぼありませんから!!」「言っててツラくありませんか!?」と押し問答……。
「しょうがない。少しだけですよ」と了承した片瀬先輩に、「恋人のフリなんて大人だな…」と思う篠崎くんですが、彼氏いない歴=年齢な片瀬先輩、内心で「恋人ってどうすればいいんでしょう」とドキドキ。自分の別の女子にひっ付かれた篠崎くんを見たこともあり、「あそこで押し問答するより早いと判断しましたが…。恋人という事はつまり篠崎さんの彼女という事」と考え出します。
「まず彼女さんに質問です」と振られた片瀬先輩。「彼氏のいいところを教えてください」という質問に、「少し恥ずかしいですがこの程度なら…」と思いつつ「真面目で一生懸命で与えられた仕事は全力でこなす所です」と笑顔で答えます。「職場恋愛ですか?」「はい」「仕事を通して惹かれていったわけですね」という受け答えに、「これなら難なく乗り切れそうですね」と安心しますが……。
「初めてのキスはどんな感じに?」と言われて「待って!!」と叫んだ片瀬先輩。「ちょっといきなりハードル上がりすぎじゃないですか?」とクレーム。「嘘だとわかっているのにボロが出そうな質問はちょっと…」と躊躇しますが、リポーターはめげずに「こうなったらいいなぁとか妄想でいいんで」とうりうりと迫られ、「それじゃ、あの…」と口を開き……。
「給湯室で…二人っきりの時に…」という答えにそれまで黙っていた篠崎くんが「!?」となり、「きゅ、給湯室!? 今後平常心が保てる気がしない!!」と動揺。片瀬先輩も言ってから「私ッ言い方ッ!! これじゃ誘ってるみたいじゃないですか!!」とテンパっています。知ってか知らずか、リポーターは「次は彼氏に質問です」と振って、「先輩からのバトン、俺も繋がなくては!!」と思っていますが、彼も彼女いない歴=年齢……。
「でも、自分の経験じゃ話せない事も多いしテレがあるな…」と悩む篠崎くん。会社のセミナーで「俯瞰した考えが欲しい時は他人を憑依させ…」と講師から習ったことを思い出し、「つまり俺に憑依させたチャラ男に喋らせることで何事もテレずに答えることが出来る」と明後日の方向に気合を入れます。リポーターからの「彼女の好きな所は」という質問に「そっスね」と先輩の肩を抱いて……。
「一緒に居てめっちゃ楽しいし、本当出会えたのが奇跡というか」と話しながら、グイっと身体を寄せられて「しししし篠崎さん!?」と真っ赤になる片瀬先輩。「あとめっちゃ的確に工数とか切ってくれるし? 残業代以上の喜びを教えてくれた女神」とチャラ男設定どこいった的なセリフを吐きつつ両手でグイグイと抱きしめてきて、「はわわわ!」となりつつも「恋人には…こんな事もするんですね」とぎゅっと寄り添います。さらに「それじゃ二人の初体験はいつどこで?」とさらにハードルが上がった質問に……。
「二回目、俺の家に来た時」という篠崎くん(チャラ男想定)に、フリーズした片瀬先輩。「に、二回目…っ!? 私はすでに一回篠崎さん宅に行ってますから…」と心臓が爆発しそうになっていた一方で、「チャラ男も流石に初回は抱かないだろ」と思っている篠崎くん。片瀬先輩は「もし次、篠崎さんの家に行ったら」と妄想をはじめて……。
篠崎くんに迫られるところを想像して「ダメです! やっぱり二回目は早すぎます!!」と付き合っているフリということを忘れておこになりかけた片瀬先輩、「こんなことを恥じるでもなく堂々と言える篠崎さんは…」と睨みますが、肩を持つ手は震えていて、顔からは汗が……。
篠崎さんの様子に気づいた片瀬先輩。先程の「真面目で一生懸命で与えられた仕事は全力でこなす所です」という自分の言葉を思い出して、「−ああ、そうか。彼女のインタビューに答えるという仕事を、今一生懸命頑張ってくれてるんですね」と思います。
「最後にカメラに向かってキスを」というリポーターに、「あーうん。超余裕」と言いつつ「ヤバい。どうしよう」と焦る篠崎くんですが、「だったら私が先輩としてサポートしないと」となった片瀬先輩が腕を引っ張り、ハンドバッグで隠してキスをしているように見せます。
ギリギリの距離で「篠崎さん」と呼びかける片瀬先輩。「無理しすぎちゃダメですよ」と優しくたしなめられて、「は、はい」と近さにドキドキ。「これで大丈夫ですか?」といつもの笑顔に戻った片瀬先輩に、リポーターは「ご協力感謝します!!」と敬礼。その様子を見たカメラマン、「本当にこれ付き合ってないんだろうか…」と疑問の目。読者も信じられないのだけど付き合ってないんですよ……!!
この撮影、ローカル番組で話題になり、それが後日に全国ネットでも放送……。それを見た主任に「いやぁでも、二人が本当は付き合ってたなんて…」と満足そうに言われて、「違うんです!!」とハモって否定することに。どうやって誤解を解いたのでしょうか……?
斎創さんが「二人が勘違いしあう話とかいいなぁ、と思って描きました」というこのエピソード。自身は「(恋人向けの)街角インタビューはあまり見ないですが、駅前でのTVインタビューの方は見たりします」と話します。
「はよ付き合え」「早く爆発しろ」という反応が多数寄せられていたほか、「既成事実では?」「インタビュアーさんGJ」という声、さらには片瀬先輩について「こんなに可愛いのに今まで彼氏がいなかったの?」という疑問も上がっていましたが、斎創さんは「キャラの交際歴に関して色々頂いたのは楽しかったです」と感想を寄せてくれました。初々しいというか初心もここまで来ると「尊い」以外の語彙力を失う破壊力があるということをまたしても証明した回といえそうです。
『うちの会社の小さい先輩の話』(ストーリアダッシュ)https://storia.takeshobo.co.jp/manga/small_senior/
※画像はTwitterよりhttps://twitter.com/saiso_ [リンク]