米スポーツメディア大手のESPNは、近年、「コードカッティング」と呼ばれるケーブルテレビ(CATV)離れもあり、ケーブルチャンネルの契約者数の減少に見舞われている。そのため、ビジネスの多角化に乗り出している。
有料ストリーミングサービスのESPN+は親会社ディズニーのDisney+やHuluとパッケージ展開したことも功を奏し、2021年7月3日には契約者数が1490万人に達したと発表している。
スポーツメディア大手ESPNが展開する有料ストリーミングサービスESPN+の画面例(図:ESPN)[画像のクリックで拡大表示]一方、9月2日に発表されたのがIT大手の米マイクロソフト、携帯電話大手の米ベライゾン、総合コンサルティング会社大手の米アクセンチュアというテクノロジー企業3社と提携した「ESPN Edge Innovation Center(エッジ・イノベーション・センター)」の設立である。
同センターは、5G、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、モバイルエッジコンピューティングなどの技術を、スポーツメディアにおけるストーリーテリングの強化にどのように活用できるかを探求していくのが目的としている。
ESPNがマイクロソフト、ベライゾン、アクセンチュアとの提携によって設立した「ESPN Edge Innovation Center」の紹介サイト(図:ESPN)[画像のクリックで拡大表示]アイルランドに拠点を置くアクセンチュアは、ESPNとイノベーションラボを設置し、スポーツの生中継、消費者向け製品、パーソナライズされたファン体験の制作を強化するためのテクノロジーとアプローチを研究するとした。
マイクロソフトとは顧客が望むときに最適なコンテンツやサービスを提供するために、クラウドベースのソリューションを探求する。マイクロソフトのクラウドプラットフォームや自動化、分析、人工知能(AI)、機械学習などのデジタル技術を活用し、両社はパーソナライゼーションやアクセシビリティーを重視したファンエンゲージメントを模索するという。クラウドサービスのMicrosoft Azureが、ESPN Edgeの主要なクラウドプラットフォームとして使用される。
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